【480号】「和食」の原点! だしを取ろう
和食の味付けに欠かせないのが、かつお節や昆布など、乾物で取った「だし」。だしがしっかり効いた料理は味も香りも豊かで心が和みますよね。読者スタッフが、基本の和風だしの取り方を専門家に教わり、だしを使った夏メニューを考えました。
おいしくて栄養豊富 健康維持にも役立つ
「日本人の心と体には、代々受け継がれてきた和食文化が、深く根付いています」と話すのは、削り節製造販売「山一」(熊本市)代表取締役の林豊子さん。ちなみに、母乳や羊水の成分にも、だしと同じうま味成分が含まれているといいます。
だしのうま味を生かせば、他の調味料の使用を減らすことができ、減塩にもつながるそう。「昆布だしにはミネラルと食物繊維、かつおだしにはタンパク質やビタミンなど、体に必要な栄養素も豊富。だしは、健康維持にも役立ちますよ」
お話を伺ったのは
株式会社 山一 代表取締役
林 豊子さん
2代目社長。8年前から、おだし教室や食育教室を開催。また、管理栄養士や調理師向けの講習会で講師も務めるなど、だしの伝承活動を幅広く行っている。
月2回の「伝承! おだし教室」を開催中。おだしの魅力について学べます。
詳しい内容はこちら
意外とカンタン! おいしい かつお昆布だしの取り方
和食のだしで基本となるのが、かつお節と昆布の合わせだし。だしを取るのは手間が掛かりそうですが、意外と簡単! おいしい一番だしの取り方の手順を紹介します。
<材料> 水…1L、天然羅臼昆布…5g、かつお節…20g
<道具> 鍋、ザル、布巾、菜箸
(1)
昆布の表面を固く絞ったぬれ布巾で軽く拭いた後、水に浸して1時間程度おきます。水に浸す時間がないときは、とろ火で15~20分煮込むとだしが出やすくなります。
ちょっとひと手間
昆布にあらかじめ切り込みを入れておくと表面積が広がり、だしが出やすいですよ。
(2)
鍋を中火くらいの火にかけ、沸騰する寸前で昆布を取り出します。沸騰させるとえぐみが出るので注意を。
(3)
同じ鍋にザルをセットし、かつお節を入れます。火を消して5分ほど放置します。
ちょっとひと手間
だしが出やすいよう、固まったかつお節を箸で軽くほぐします。かき混ぜるとえぐみが出るので気を付けて。
(4)
ザルを引き揚げ、かつお節を取り出します。かつお節を二番だしに使用しない場合は、軽く絞ります。絞り過ぎるとえぐみが出るので注意しましょう。
おだし・ワンポイントアドバイス
・取っただしは保存容器に入れて、冷蔵庫で3~4日保存可能
・取っただしを製氷皿に入れて冷凍しておくと、ちょっとした料理に使えて便利
・時間がないときは、昆布とかつお節にポットのお湯を注ぐだけでも、だしが取れる
・だしを取り終わった後の昆布やかつお節は、そのまま食べてもOK
・離乳食の重湯に薄い昆布だしを使うのもおすすめ
おだしを使った夏メニュー 私たちが考えてみました
枝豆のせ玉子豆腐
読者スタッフ 久保 恵美さん
玉子豆腐は、卵とだし汁(だしに薄口しょうゆを混ぜ合わせたもの)の分量を「1:1」と覚えておくと簡単。卵1個は約50g(50cc相当)なので、2人分なら卵2個(約100g)、だし(100cc)です。
夏野菜のぶっかけダシ
読者スタッフ 西島 明美さん
テレビの料理番組で見た、山形名物「だし」をヒントに、夏野菜たっぷりで作りました。火を使わず簡単です。冷製茶漬けや冷しゃぶにもおすすめ。お好みで、納豆やなめこなどを入れても◎。
教えてもらって
久保さん
ベースのだしがおいしいと、どんなメニューを作っても、自然においしくなるんだと思いました。だしの「うま味」ってすごい!
西島さん
だしを取るのはとても簡単で、いただくと体に栄養が染み込んでいく感じがしました。分量や手順を守ると、料亭の味に近づきますね。
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