【489号】9月13日は「中秋の名月」 手作りだんごでお月見を楽しもう

今年は9月13日が中秋の名月です。手作りのおだんごで、ゆっくりとお月見を楽しんでみませんか。読者スタッフが、和菓子職人のレクチャーで月見だんご作りにチャレンジしました。

秋の風物詩「中秋の名月」って?

お月見の由来や作法、熊本ならではの風習などについて民俗学の専門家に聞きました。

貴族の“観月の宴”が庶民に広がり 現在知られる「お月見」の形に

中秋の名月とは「十五夜」とも呼ばれ、旧暦8月15日(新暦の9〜10月ごろ)の夜に見える月を意味します。この日の月は一年で最も美しいとされています。

「月をめでる風習は平安時代ごろ、中国から伝わってきたといわれています。貴族たちが宴を開き、月を眺めながら詩歌を詠み合ったそうです。その風習がやがて庶民にも広がり、収穫祭と結び付いて日本独自のお月見として定着しました」と話すのは、熊本博物館学芸員の福西大輔さん。

月は“死と再生の象徴”とされ、収穫後、新たな収穫を祈ってお供え物をするようになったそう。阿蘇地域では、12本の稲穂(1カ月に1本の計算)を供える風習が残っている所もあるようです。

また「十五夜と併せ、約1カ月後の十三夜の月を眺める風習もあり、両方めでると縁起が良いといわれます」と福西さん。ちなみに2019年の十三夜は新暦の10月11日。今年はぜひ、十五夜と十三夜の両方を楽しんでみてはいかがでしょう。

お話を伺ったのは

熊本博物館学芸員
福西 大輔さん


お供え物

月見だんご

月見だんごは、収穫した米を粉にして丸めて作ったのが始まり。熊本では、月の数に合わせて12個を三方(さんぽう)という台座に載せて供える風習があります。

秋の収穫物

米、柿など秋に収穫される作物。時季的に稲穂がない地域や用意できない場合は、ススキを代用として供えるのが一般的です。

芋類

中秋の名月は「芋名月」とも呼ばれ、里芋を供える地域が数多くあります。

家庭での楽しみ方

縁側やベランダなどで月の方角にお供え物を置いて楽しむのが一般的ですが、月を眺めるだけでも十分です。


熊本ならではの風習

月拝み(八代市泉町の五家荘地区)

自宅の庭で、家の主人が収穫した作物を並べた箕(み)を頭の上に載せて立ち、月を拝みます。

十五夜綱引き(八代市日奈久など)

海側と山側の地域に分かれて綱引きをします。勝った方が豊かになるといわれます。

十五夜盗み(県内各地)

子どもたちが縁側などに置かれたお供え物を盗みます。盗まれた方が、縁起が良いそうです。


わが家で手作り簡単! 月見団子

関西風と関東風のだんご作りに挑戦!

今回、南区川尻にある菓舗梅園の四代目・片岡圭助さんに、関西風と関東風の月見だんごの作り方を教わりました。「月見だんごは、地域によって形や味がさまざま。関西風は、流線形にした生地をあんに包んで里芋形に。関東風は、満月をイメージした丸いだんごを三方に重ねるのが特徴です。どちらも同じ生地で簡単に作れます」と片岡さん。

慣れない作業にてこずりながらも、思い思いにだんご作りを楽しんだ読者スタッフ親子。頑張って完成させたからこそ、おいしさも格別でした。

月見だんご作りを楽しむ読者スタッフ親子

千田洋子さんと栄樹(えいじゅ)君

千田洋子さんと栄樹(えいじゅ)君

平田美幸さんと萌花(もえか)さん

平田美幸さんと萌花(もえか)さん

教えてくれた人

菓舗梅園 四代目
片岡 圭助さん

和菓子作りの出張体験教室も行っています。学校行事などもお任せください!

開懐世利六菓匠(かわせりろっかしょう) 菓舗 梅園(うめぞの)

明治40年創業の老舗。川尻地域を活性化させようと結成された「開懐世利六菓匠」の一つで、名物の「そば薯蕷(じょうよう)」が有名なお店です。

店舗情報

開懐世利六菓匠 菓舗 梅園

住所
熊本市南区川尻4-6-20
TEL
096-357-9143
営業時間
9時~19時
休業日
水曜

月見だんごの作り方

●材料

(関西風:約30個、関東風:4個串が約15本分)
上用粉(上新粉)…300g
白玉粉…30g
片栗粉…30g
上白糖…150g
水…370~400ml
植物油…適量
あん(市販のもの)…500~600g
※上用粉(上新粉)の代わりにだんご粉を使う場合は、袋の表記に従った水の分量にする

●道具

ボウル、ホイッパー、ラップ、蒸し器、バット、木べら、電子レンジ


(1)混ぜる

ボウルに白玉粉を入れ、少量の水で溶く。これに、上用粉と片栗粉、上白糖を混ぜ合わせたものを加え、水を少しずつ注ぎながら、ダマにならないようホイッパーで混ぜる。
※上白糖を多めに加えることで、だんごが硬くなりにくく日持ちしやすくなります


(2)蒸す

ボウルにラップを敷いて(1)を入れ、蒸し器で25~30分蒸す。


(3)成形する

蒸し上がった生地をバットに取り出して木べらでこね、粗熱が取れたら手でまとめる。生地を1玉分ずつ均等に分け、丸める。

ポイント

生地は冷めると固くなってしまうので、温かいうちに成形を。手のひらとバットに植物油を塗っておくと生地が手に付かず、作業がしやすいです。


関東風 完成!


(4)あんを作る

市販のあんを耐熱容器に入れ、あんに切り込みを入れてから電子レンジで加熱(700wで2~3分)。この作業を2~3回繰り返し、あんの水分を飛ばす。

ポイント

あんの水分が飛びやすいよう切り込みを入れるのがポイント。


(5)あんを巻く

あんを手のひらで直径6~7cmの円形状に広げ、流線形にした生地の丸い方を下にして包む。


関西風 完成!


普段のおやつに、お茶菓子にいかが― おだんごアレンジ♪

だんごの生地を使って、こんなアレンジレシピはいかが。おやつに、お茶菓子におすすめですよ。

みたらしだんご

詳しいレシピはこちら



体験を終えて

平川友紀さんと友博君

あんこをあまり食べない息子が、「おいしい!」とペロリ。簡単そうに見えて意外とコツがいりましたが、親子で作りながら話が弾み、ワイワイ楽しめました。

藤原睦美さん

わが家では毎年、ススキや秋の実りを飾るとともに白玉だんごを作りますが、今年は教えていただいた月見だんごでお月見をしたいと思います。

花田恵美子さんと結さん

関西と関東でだんごに違いがあることを初めて知りました。作業は思ったより大変でしたが、娘に風習を教えつつ、だんご作りもできて、良い体験になりました。