【558号】普段の料理をグレードアップ! 赤酒活用のススメ
熊本のお正月には欠かせない「赤酒」。 料理酒としてもとても優秀で、 プロの料理人も重宝しているそう。 赤酒を使った“おいしさ太鼓判”の レシピをお届けします。
赤酒の歴史・由来って
県民に愛され続ける「肥後の伝統酒」
赤酒は、醸造過程でもろみに木の灰を加えることにより品質を保つ「灰持(あくもち)」と呼ばれる製法で作られた熊本特産のお酒です。「東肥の赤酒」でおなじみ、瑞鷹株式会社(熊本市)の吉村謙太郎副社長によると、熊本城を築いた加藤清正公の入国以来約300年間、熊本のお酒といえば赤酒だったそうです。「肥後細川藩の時代になると、”御国酒”として保護され、赤酒以外の酒の製造が禁じられました。肥後の伝統酒といわれるゆえんです」と吉村さん。
明治時代以降、赤酒は、清酒の人気に押されて一時期衰退しますが、戦後再び生産が復活。慶事のお酒やお正月のお屠蘇(とそ)、料理酒などの用途に需要が拡大し、現在に至ります。
いろんな料理に使える万能調味料!
熊本県民におなじみの赤酒は、いろいろな料理に使える万能調味料! そこで今回、メイン具材に県産食材を使った熊本らしさあふれるレシピ5品を料理研究家の椎野奈知美さんに教えてもらいました。
※材料は4人分 ※「使った県産食材」は、取材協力/南関あげ…南関町まちづくり課、くまもとあか牛…県畜産課、トマト・サツマイモ・ミカン…県農産園芸課
教えてくれたのは
料理研究家
椎野 奈知美さん
料理教室「ナチュラルHappyキッチン」主宰。野菜ソムリエ、食育インストラクターなどの資格を持つ。本紙「美味しいレシピ」も担当。
赤酒の注目ポイント!
(1)ふっくら軟らかな仕上がり
ph(ペーハー)7.2の微アルカリ性の酒質が、魚や肉などのタンパク質を固めず、ふっくら軟らかな仕上がりに。
(2)食欲そそるツヤ・色合いに
完成後の料理は照り・ツヤが良く、冷めてもその効果が続きます。また、アクが強い野菜を煮るときも色鮮やかに仕上がります。
(3)品がある甘みとコクが出る
米こうじが醸し出す上品な甘さにより、料理の塩気や酸味のカドが取れ、まろやかな味わいに。また、赤酒の製造過程で生まれるうま味成分のアミノ酸が料理にコクを与えます。
その他
- 魚などの生臭さを取る
- 味に広がりや奥深さを出す
- 煮切る(アルコール分を飛ばす)必要がない
など、料理のおいしさアップや時短につながる効果が期待できますよ。
料理に使ったのは
「本伝 東肥赤酒」
製造元/瑞鷹株式会社
店舗情報
- 住所
- 熊本市南区川尻4‐6‐67
- TEL
- 096-357-9671
- 店舗ホームページ
- https:// www.akazake.com/
- 営業時間
- 9時~17時
- 休業日
- 土・日曜、祝日
[RECIPE 1]赤酒×南関あげの豚しゃぶ鍋
まろやかスープが絶品! 具材の食感も楽しい
[使った県産食材]南関あげ
玉名郡南関町で古くから親しまれてきた伝統食品。油抜きの必要がなく、長期保存(常温で3カ月)が可能。味が染み込みやすく、フワッとした食感が特長。
[RECIPE 2]赤酒×くまもとあか牛のカレー鍋
みんな大好きカレー味! 肉と野菜のうま味ぎっしり
[使った県産食材]くまもとあか牛
熊本生まれの和牛の一種。程よい脂肪分があり、赤身肉のうま味や和牛本来のおいしさが感じられるヘルシーな牛肉です。
[RECIPE 3]赤酒×トマトの洋風煮込み
トマトの酸味がま〜るく 鶏肉との相性も抜群!
[使った県産食材]トマト
熊本県は全国一のトマトの産地。冬春は八代・玉名地域、夏は阿蘇地域を中心に、一年を通して栽培されています。
[RECIPE 4]赤酒×サツマイモの根菜甘酢炒め
シャキホクッとした歯応え 甘辛味でご飯もお酒も進む
[使った県産食材]サツマイモ(シルクスイート)
主に阿蘇郡西原村で栽培されている品種。しっとりとした口当たりと上品な甘さが特長。旬は11月~2月ごろ。
[RECIPE 5]赤酒×ミカンのクレープシュゼット
後引く優しい甘み ミカンの風味もしっかり
[使った県産食材]ミカン
熊本市をはじめ、玉名・宇城地域などで栽培が盛んで、生産量は全国4位。「肥のあかり」をはじめ、県オリジナルの品種が多数あります。
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