傷つけるのも、励ますのも「言葉」

おいしいものいっぱいの秋。先日、しゃれたフランス菓子を作る職人Kさんと「一番好きな食べ物」について話をしていた時、大好物がお好み焼きだと聞いて何だか急に親近感を覚えました。なんと年間に200日くらいはお好み焼きを食べるそうで、そんなKさんの食べ歩き日記は雑誌やテレビで特集されるほどです。

Kさんは「おいしいものはぜひ、いろんな人に知らせたい!」とSNSでも発信をされていて、私も楽しみに読んでいます。そんなKさんの食べ物投稿のルールが素敵なんです。それは、「自分がおいしいと思わなかったとしても、そのお店のことは絶対に悪く書かない」。「味覚は人によって当然違うし、同じ人が同じものを食べても、その日の体調や気分で味の感じ方は違う。自分も食べ物を作る人間だから、何がどんな風に入っているとか、どのように組み合わせてあるかとか、そういう情報は入れるようにしているよ。読む人が想像しやすいようにね」だそうです。

さすがです! 一方、飲食店をしている私の友人はお客さんからSNSで「塩辛かった、無理!」と一方的に書かれ、とても傷ついていました(そこのお料理、私はとてもおいしいと思っていて、実際に人気店なんですが)。言葉は、人を励ます宝にも、人を傷つける凶器にもなります。最近は誰でもSNSで飲食店情報を発信できる時代。投稿内容をうのみにする人は決して多くはないと思いますが、発信する側として、「人を傷つけない」最低限のルールは守りたいですね。

お好み焼き大好きなパティシエKさんの作るお好み焼き。焼いているそばから「おいしそう」

お好み焼き大好きなパティシエKさんの作るお好み焼き。焼いているそばから「おいしそう」


Profile
村上美香

1971年、熊本市生まれ。第一高、熊本大文学部卒。94年に熊本県民テレビ(KKT)にアナウンサーとして入社。夕方の人気番組「テレビタミン」を21年間担当し、「みかちゃん」の愛称で親しまれた。今春、同番組を引き継ぎ、KKTも退社。「ヒトコト社」代表。
ホームページはhttps://hitokotosha.com