トップアスリートとして活躍し、現在は運動指導などに当たっている川上優子さんがつづる、心も体も元気になれる“サプリメント・コラム”。
心と体を磨く"Y"の法則
筆者プロフィル
1975年、松橋町(現宇城市)生まれ。信愛女学院高から沖電気宮崎に進み、アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)両五輪の陸上1万メートルに出場し、アトランタでは7位入賞。現在、一般社団法人スポーツコア代表として、ランニングを通じた地域貢献に取り組む。
Vol.27 失敗を恐れず、自分で判断・決断すること
私の指導するチームでは、「主体性と自立(自律)」を理念としていますが、さまざまな局面で考えさせられることがあります。
高校や大学を卒業し、プロフェッショナルの世界に身を置く選手にとって主体性は不可欠です。言い換えれば、プロは自分の意志と判断が何よりも重要な世界なのです。同時に、主体性には「自分の行動に責任を負う」という要素が含まれます。それは競技を職業にするアスリートに限らず、働くことでお金を稼いでいるすべての人に通じるのではないでしょうか。
陸上競技で主体性に欠ける選手は、レースでの判断力が養われず、なかなか結果を出せないことが多いです。つい先日、競技を離れるという人生の選択を迫られた選手がいました。彼女から出てくる言葉で、かなりの比重を占めていたのは「保護者の意向」でした。親の意見や意向が選手の競技人生に大きな影響を及ぼしていて、選手自身の主体性が低いのを目の当たりにし、少々残念な気持ちになりました。
スポーツの世界では、試合中に一瞬の判断や決断を迫られます。日頃、誰かに決断を依存していては、自分の望む結果は得られません。ましてや誰かに勝利するなど難しいでしょう。失敗したり、うまくいかないことなど大したことではありません! それよりも、「自分で判断し決断すること」を繰り返し訓練し磨いていくことが大切です。
北海道旭川市で行われた今シーズン初レース「ホクレンディスタンス2020」の様子。コロナ禍を経て、ようやくレースが再開されました
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