トップアスリートとして活躍し、現在は運動指導などに当たっている川上優子さんがつづる、心も体も元気になれる“サプリメント・コラム”。

心と体を磨く"Y"の法則

筆者プロフィール

1975年、松橋町(現宇城市)生まれ。信愛女学院高から沖電気宮崎に進み、アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)両五輪の陸上1万メートルに出場し、アトランタでは7位入賞。現在、一般社団法人スポーツコア代表として、ランニングを通じた地域貢献に取り組む。


Vol.30 不安定な時代だからこそメンタルケアの普及を

新型コロナの収束が見えない中、家庭や仕事、人間関係など、さまざまな場面でメンタルケアの必要性が増しています。選手を指導する上でもその点を重視。私の過去の失敗も踏まえ、チーム外の専門家によるカウンセリングを依頼しています。

トップアスリートの多くは試合などで感情を上手にコントロールする術を身に付けていますが、メンタルケアはもっと手前の段階で、「自分の感情を整理する」作業。もし、私が競技を辞める決断に至る前に専門家のカウンセリングを受けられていたら、「引退」というところまで思い詰めることはなかったと思います。

実際、大事な試合を前に不振が続き、不安や恐怖、結果が悪かったときの屈辱を想像して耐えられなくなり、「棄権したい」と話す選手がいました。彼女にメンタルケアを行った結果、出場を決意し、練習に向き合うようになりました。突如として沸き起こる感情と思考を整理し、自分の考えや意思で物事を決めることができれば、たとえ結果が悪くても、それは貴重な経験と財産になります。

今月3日に開通した国道57号・北側復旧ルート。大分~熊本を頻繁に移動する私にとっては、とてもありがたい道路です(助手席から撮影)

メンタルケアは、「病気だから受ける」のではなく、むしろ普段から定期的に受けることで心身の健康をより長く保てるのではないでしょうか。今後、さまざまな組織やコミュニティーの中にメンタルケア専門の部門ができ、誰もが気軽に利用できる環境が整備されることを切に願っています。