トップアスリートとして活躍し、現在は運動指導などに当たっている川上優子さんがつづる、心も体も元気になれる“サプリメント・コラム”。

心と体を磨く"Y"の法則

筆者プロフィール

1975年、松橋町(現宇城市)生まれ。信愛女学院高から沖電気宮崎に進み、アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)両五輪の陸上1万メートルに出場し、アトランタでは7位入賞。現在、一般社団法人スポーツコア代表として、ランニングを通じた地域貢献に取り組む。


Vol.31 日常にあふれるチャンスの「種」に気付けるか?

皆さんは「挫折」を経験したことがありますか? 私にとっての最初の挫折は、高校2年の秋でした。中学で始めた陸上競技。高校入学後も順調に記録を伸ばし、駅伝の主力メンバーにもなり始めたころです。

大会目前にケガをし、長期離脱。すぐに治ると思い練習に取り組んでいましたが、2カ月たっても3カ月たっても痛みは引かず、やる気も低下。それまで誰よりも先に練習に出てきて、誰よりも遅く帰っていたのに、いつの間にか公園でボ~ッとしながら時間をつぶすことが増えていました。

イライラやモヤモヤをどう解消していいかも分からない上、練習をサボっている自分にも失望していました。何より将来の希望がまったく持てなかったことを覚えています。当時の私は、完全に心が折れていました。

合宿中の選手たちの食事(朝食)。ハードな練習に備えて、朝からしっかり食べてエネルギーを蓄えます

そんな時、高校の先輩が所属している実業団チームの合宿に参加したのをきっかけに新しい世界を知り、再び走る意味を見つけることができたのです。とはいえ、当時は「将来、自分がオリンピックに出場する」など微塵(みじん)も考えられませんでした。

だからこそ思うのです。どんなにうまくいかないことが続いても、誰にでもはい上がれる可能性があると。今はまだ力不足で、もがいている選手も、いつか何かのきっかけで羽ばたけるし、そのチャンスは日常にあふれています。大事なのは、それに気付けるかどうかです。