トップアスリートとして活躍し、現在は運動指導などに当たっている川上優子さんがつづる、心も体も元気になれる“サプリメント・コラム”。
心と体を磨く"Y"の法則
筆者プロフィール
1975年、松橋町(現宇城市)生まれ。信愛女学院高から沖電気宮崎に進み、アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)両五輪の陸上1万メートルに出場し、アトランタでは7位入賞。現在、一般社団法人スポーツコア代表として、ランニングを通じた地域貢献に取り組む。
Vol.32 自ら楽しみ夢中になることが結果につながる
「選手をいかに夢中にさせることができるか」。これが今の私にとって最大のテーマです。
実業団で走る彼女たちは、どれぐらい陸上競技に夢中になれているのか。それには、練習への取り組み方ひとつをとっても受け身ではなく能動的でなくてはなりません。そして、夢中になるには、何より「楽しい」と感じることが大事。ただ、走ることを仕事にしている彼女たちには「fun(楽しい)」ではなく「enjoy(楽しむ)」であってほしいと思います。
陸上の長距離種目の練習は、それほど楽しいものではありません。むしろ苦しくてキツイことがほとんど。しかし、選手にとってはそれが仕事ですから、苦しいこと、つらいことも含めて楽しめなくてはいけないわけです。決して簡単ではありませんが、だからこそ価値があるのです。
チームの活動記録用のミラーレス一眼レフカメラ。レース中の選手の動きや表情までしっかりと捉えることができます
夢中になるためには、「できる」ことが増えるのが重要。小さな成功体験を積み上げて自分の変化を感じ始めると、選手たちは苦しい練習にも向き合えるようになります。むしろ苦しければ苦しいほどやりがいを感じ、変化していくことを楽しんでいるようにも見えます。そうすると、明らかに生活スタイルや行動に変化が見られるようになります。恐らくこれが「夢中になっている」ということなのでしょう。
夢中になると、人は不思議と結果が出ます。「選手全員を夢中にさせられるか」。私は今、このテーマに夢中です!
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