トップアスリートとして活躍し、現在は運動指導などに当たっている川上優子さんがつづる、心が元気になれる“サプリメント・コラム”。

心と体を磨く"Y"の法則

筆者プロフィール

1975年、松橋町(現宇城市)生まれ。信愛女学院高から沖電気宮崎に進み、アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)両五輪の陸上1万㍍に出場し、アトランタでは7位入賞。現在、一般社団法人スポーツコア代表として、ランニングを通じた地域貢献に取り組む。


Vol.33 「お金について考える」ことの重要性

私が現役を引退してまず痛感したのは、「お金」に関してあまりにも無知だったことです。高校卒業後、すぐに実業団チームに入った私は、約9年間、正社員として会社に在籍しながら陸上競技をさせてもらいました。

その間、恥ずかしながら給与明細を細かく見ることなどほとんどありませんでした。個人と会社員では、年金や保険料の納付額が驚くほど違うということに気付いたのは、競技を辞めて個人で活動するようになってから。総支給額から引かれる金額とは別に、会社がどれだけ負担して国に納めているかなど深く考える機会もありませんでしたし、まして企業に属さない場合との比較などしたこともありませんでした。

本来は社会人として知っておくべき常識の一つでしょうが、当時の私はもちろん、現在の選手たちを見ていても、それを理解している子はほとんどいません。どちらが良いということではなく、お金の流れや仕組み、そして価値を知っておくことはとても重要です。

日本ではお金の勉強をする機会が非常に少ないように思います。その結果、恵まれた環境にいるのに不満が出たり、知らなくて損をしたりすることが多々あります。自分の可能性に挑戦する若い選手たちには、お金の価値を知り、手にしたお金を何に投資するのかを自分自身で判断できるようになってほしい。そして、それをしっかり伝えていくのが、私たちの役目だと感じています。

合宿先の宮崎で選手たちと初詣に行った際に引いたおみくじ。珍しい「大大吉」や「平(たいら)」を引き当てた選手もいて、幸先の良い(?)スタート