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“食”を通して“生”を描く 独特でユニークなドラマ【カルチャールーム】

川っぺりムコリッタ (C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会
川っぺりムコリッタ (C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会

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川っぺりムコリッタ 9/16(金)公開

『かもめ食堂』など独特の作風を持つ荻上直子監督が、自作小説を映画化した作品。

北陸の小さな町の古い安アパートに住み始めた青年・山田(松山ケンイチ)。できるだけ周囲と関わらないようにしていた彼ですが、アパートの住人たちとの交流を通して、心境が徐々に変化していきます。しかし、彼には秘密にしておきたい過去が…。

普通の食事がとてもおいしそうに見える「荻上マジック」は健在。ほっこり系の話かと思いきや、実は“食”が“生”を象徴する深いドラマ。それでも、個性派ぞろいの出演者の好演で、重苦しくなく温かな気分で見られます。ちなみに「ムコリッタ」とは仏教における時間の単位の一つで、ささやかな幸せを意味する言葉だそうです。

「おいしそう」を保ちつつ進化した「荻上ワールド」を堪能できる秀作です。
(フリーライター・上妻祥浩)

[上映館]

  • 熊本ピカデリー

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

川っぺりムコリッタ (C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会

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この記事を書いた人

映画解説・研究者、フリーライター。映画検定1級。熊日から「週刊文春CINEMA」まで神出鬼没。RKKラジオ「ニュース515プラス」毎月第1金曜日に出演中。家ではチワワとウーパールーパーの飼育員。『シン・ゴジラ』に出ていることだけが自慢。

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