八代の禅宗8カ寺の文化財 初公開作品など一挙公開

何かとストレスや不安を抱えやすい現代社会、「禅」の教えが再び注目されているようです。この「禅」をテーマにした展覧会を今、八代市立博物館未来の森ミュージアムで開いています。

多くの禅宗寺院では、自ら修行をして悟りを開いた釈迦如来(しゃかにょらい)が本尊として祀(まつ)られています。さらに、インドから中国に禅を伝えた「達磨(だるま)大師」の肖像彫刻、禅の教えを文字で書いた「墨蹟(ぼくせき)」など、独自の文物が数多く伝えられています。八代市には8つの禅宗寺院がありますが、郷土の歴史を語るうえで欠かすことのできない寺院も少なくありません。本展では、この8カ寺の文化財を一堂に紹介、禅宗文化の魅力を探ります。

この展覧会で改めて見えてきたものは、衰退した寺院を復興した禅僧の、あるいは寺院を支えた庇護者のあつい信仰心です。例えば江戸期、各地の寺院復興に生涯をささげた禅僧「禅瑞(ぜんずい)」。釈迦院(八代市泉町)を復興させると、中世の名刹・玉泉寺(同市岡町中)の復興に着手。数年かけて見事に復興を遂げると、再び荒廃寺院を探して旅に出ました。また、松井寄之の妻と妹は、城下の荒廃した寺院の復興を願いました。特に妹の桂光院は、幼くして亡くした娘の冥福を祈り同市出町の寺に浄財を寄進。娘の法号から寺名を「妙雲山福寿寺」と名付けました。小さな寺院ですが、運慶作の仏像に肉薄するほど美しい本尊「聖観音菩薩坐像」は、まさに武家の菩提寺(ぼだいじ)ならではの仏像です。

妙雲山福寿寺の「聖観音菩薩坐像」(高さ38.7cm)江戸時代

妙雲山福寿寺の「聖観音菩薩坐像」(高さ38.7cm)江戸時代

本展には、8カ寺の協力のもと全45点が出品されています。寺院を訪ねても普段は拝見できない寺宝も多く、初公開作品が約半数を数えます。めったにない機会、どうぞお見逃しなく!
(八代市立博物館・石原浩学芸員)

Information

会期:~8月26日(日)まで
会場:八代市立博物館未来の森ミュージアム
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料:一般400円 高大生300円 中学生以下無料

お問い合わせ

八代市立博物館未来の森ミュージアム

TEL
0965-34-5555