日本中を旅した民俗学者 宮本常一の足取りと生涯を追う

熊本博物館では、「旅の巨人」と呼ばれた民俗学者・宮本常一(つねいち)と熊本をテーマにした企画展を開催します。皆さんは、宮本常一(1907~1981年)を知っていますか? 日本中を旅した男として知られています。歩いた距離は約16万km、地球4周分だといわれます。

なぜ宮本は旅をしたのかといえば、庶民の暮らしを知るためでした。山口県周防大島で生まれた彼は大阪に出て、郵便局や小学校に勤めました。柳田國男や渋沢敬三の影響を受け、民俗学者の道を歩みます。その中で、山村や離島で暮らす人々の経済的苦労を知り、生活の知恵を学んだのです。そこから宮本は、庶民の知恵を生かす地域振興にも力を入れます。農業や生活の指導、そして地域資源を使った観光を模索しました。

熊本をたびたび訪れていた民俗学者の宮本常一(宮本常一記念館提供)

宮本の談によれば20回ほど、来熊したそうです。彼は阿蘇、天草、そして球磨地方などを訪れます。熊本で最も関心を持った場所は西合志村(現・合志市)です。昭和22、25、35年に訪れ、延べ12日間、調査をしているからです。彼は村にあった農家の子弟のための私塾・合志義塾に深い関心を持ちました。この塾では、農業で地域振興を担う人材の育成が行われていたのです。また、村では耕地整理をはじめ、信用組合の成立、種馬改良などの事業が塾関係者を中心に進められました。

本展示会では、宮本の熊本での足取りを追うとともに、彼の旅とその生涯について探ります。周防大島にある宮本の愛用品や写真をはじめ、彼が収集に関わった国指定重要有形民俗文化財「周防大島東部の生活用具」の一部も展示します。ぜひ、この機会に博物館に足を運んでください。

(熊本博物館・福西大輔学芸員)

Information

会場:熊本博物館(中央区古京町3‐2) 特別展示室
会期:2月8日(土)~3月22日㈰
開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
入場料:一般400円、大学生・高校生300円、中学生以下200円
※30名以上団体は2割引き。幼児、市内小中学生(名札か生徒手帳所持)、障害者手帳または65歳以上の熊本市民で証明書をお持ちの方の入場料は無料

〈企画展関連講演会〉

演題 宮本常一、旅の足跡
日時 2月8日(土)13:30~15:00
講師 高木泰伸(宮本常一記念館学芸員)
場所 熊本博物館講堂
定員 50名(当日9時より整理券配布)

お問い合わせ

熊本博物館

TEL
096-324-3500