犬がいる学校を舞台に 児童小説を執筆
熊本市出身で、東京で活躍中のフリーライター、高倉優子さんがこのほど、初の児童向け小説『学校犬バディいつもいっしょだよ!学校を楽しくする犬の物語』(角川つばさ文庫)を出版しました。出版記念パーティーのため帰熊した高倉さんに、作品についての思いなどを聞きました。
「小説を書いてみませんか?」。親しい編集者から、突然出版の依頼が来たとき、高倉さんは驚いたそうです。「いつかは本を出版したい」と夢見ていたけれど、まさか小説を書くことになるとは思わなかったと言います。「人生って思いがけなく楽しいことが起こるもの。ぜひ挑戦したいと思いました」。編集者に提案された作品のテーマは「動物介在教育」。学校生活に動物を介在させることで心の豊かな子どもを育てる取り組みです。さっそく「学校犬」がいる小学校へ取材に行き、担当教諭や子どもたちと話すなどイメージを膨らませていきました。「犬のお世話をする子どもたちのイキイキとした表情を参考に、キャラクターを作り上げました。主人公の真歩は、転校が多く、本が友達だった小学生時代の私自身を重ねて書いたところもありますね」
出版後、たくさんの感想をもらったという高倉さん。「『私の学校にも犬がいたらいいのに』というお子さんや、『飼っていた犬のことを思い出して泣きました』という大人の方まで。とても励みになりました。今後も自分らしいテーマを探しながら小説を書き続けたいですね。そしていつか熊本を舞台にした作品にも挑戦してみたいです」
テキスト/「Serendipity」伊藤美佳さん
たかくら・ゆうこ/「すぱいす」編集部での勤務を経て、18年前に単身上京。女性誌やウェブで著名人のインタビューや書評、エッセーなどを執筆している。「ananweb」でエッセー「本棚ダイアリー」を連載中。東京女子書評部部長
information
「学校犬バディ いつもいっしょだよ! 学校を楽しくする犬の物語」
著者/高倉優子 監修/吉田太郎
出版社/角川つばさ文庫 定価/648円
小学5年生の真歩のクラスに、エアデールテリアの子犬が学校犬としてやってきます。なんとなく学校に行くのがおっくうになっていた真歩は、吉田先生からお世話係を任せられます。バディとの触れ合いを通して成長していく子どもたちの姿や、命の大切さが描かれています。2003年から15年まで、立教女学院小学校で実際に学校犬として活動したバディの実話をもとにした物語。
コメント
0