角川春樹“最後の監督作” 時を超えて味わいたい人情噺

日本映画界の革命的プロデューサー角川春樹が「生涯最後の監督作品」に選んだのは、髙田郁によるベストセラー時代小説シリーズ。身を尽くした料理が人の心を動かし、自らの運命も切り開いていく、女料理人の成長を描いた人情噺です。

幼なじみの澪(松本穂香)と野江(奈緒)は、大洪水で両親を失い生き別れに。10年後、澪はそば屋で女料理人となり、野江は江戸一の花魁(おいらん)となっていました。苦心して生み出す料理が、二人を引き寄せていきます…。垣根を飛び越えて会うことのかなわない時代、奇跡的に再会できた二人。でもそこからが本当のスタートだったのです。

今、最も波に乗る若手女優の松本穂香が好演。演技にひたむきに向き合う彼女の立ち居振る舞いや呼吸までもが、料理人の道をまっすぐ進む澪という役に息を吹き込んでいるようで、その人生をリアルに感じさせてくれます。生の原点「食」をテーマに、愛らしく味付けされた普遍の人情噺を召し上がれ。
(すぱいすライター 森田真祐佳)

(c)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

[上映館]

・TOHOシネマズ熊本サクラマチ・光の森・はません・宇城
・ユナイテッドシネマ熊本
・イオンシネマ熊本