初心者の中の初心者

療養期間中も、熊本城マラソンまでのカウントダウンは進んでいる。練習中のランナーを見かけては、ヤキモキする日々だった。

とりあえず、安静にしつつ、ストレッチや筋トレをした。私は体が硬い。自慢じゃないが、この40年、前屈で1度も地面を触ったことがない。腹筋も弱く、横になった状態から勢いをつけても起き上がれない。腕立て伏せも1回もできない。筋力、体力、柔軟性すべてにおいて劣っている。しかし見方を変えると、伸びしろがあるということだ。”継続は力なり”を信じ、毎日「あいたたたた」と体をバキバキいわせた。

マラソンの本も読みあさった。初心者向けの本では、私がいかに無謀だったかを見せつけられた。
初心者は「まず、ウオーキングから始めよ」とある。冷静になってみるとそうだ。運動習慣がないまま走ると、体に負担がかかり故障する。そんな分かりきったことが、気持ちが先走る私には分からなかった。”急がば回れ”、心に深く刻んだ。

そして、ショックも受けた。
“会話しながら走れるゆっくりなペース” として書かれていたのが、私の精いっぱいのペースだった。さらに、5kmのタイムから導き出すフルマラソン予想タイム(トイレ等のロスタイムやペースが落ちることを考慮したもの)には、私の精いっぱいのペースは載ってさえいなかった。
つまり今のままでは、制限時間7時間での完走は無理だということ。それどころか、序盤の関門突破もあやしくなってきた。初心者にも入れてもらえない私。夫に「私を基準に初心者の本作ってほしいよね」とぼやくと「これほどの初心者は走ろうなんて思わんとよ」と半笑いで言われた。
身の程知らずなのは、重々承知だ。でも、挑戦しようとさえしていない人に、私の挑戦を笑う資格はなーい!