コースを「車で」試走 お城に完走誓う

実はひそかに、県内で行われた10kmのマラソン大会にエントリーしていた。熊本城マラソン本番前に、大会の雰囲気や給水などを体験しておきたかったからだ。なぜか全く不安はなく、ただただ楽しみだった。ゼッケン番号が書かれたハガキが送られてくると、より現実味を増した初レースにワクワクした。

しかし、レースの数日前、2度目の故障。私の初レースは”故障欠場”というアスリートみたいな結果に終わった。
数日後、ゼッケンや参加賞のTシャツ等が送られてきた。使われなかったゼッケンは、よれも汚れもなく、きれいだった。見慣れた自分の名前が書かれたゼッケンに、少しだけジーンとし、来年このレースに参加することを心に決めた。

熊本城マラソンは、過去7回行われているが、私はボランティアどころか、応援に行ったこともなかった。情報として、コースを大まかに知ってはいたが、YouTubeでコースを見てみることにした。
バイクから撮影された大会映像には、途切れることなく、沿道の応援があった。それを見ただけで、目頭が熱くなってきた。人生で、何万人もの人から応援されるなんて経験、そうそうできない。そして、1万人もの人を応援するなんて経験も、なかなかない。こんな素敵な大会、何で今まで関心がなかったのだろう、と悔やまれた。

しかし、映像が進むにつれて現実に引き戻された。42.195kmは長い。進んでも進んでもゴールにたどりつかない。早送りで編集されたその映像でも、1時間ほどかかった。不安にかられた。

百聞は一見に如かずと、実際にコースを車で走ってみることにした。アップダウンがつらそうな橋がいくつもあった。初めましての道も13kmほどあった。そして、ようやく見えた熊本城に完走を誓った。日曜の昼下がり、渋滞もなかったが、一回りするのに2時間ほどかかった。やっぱり長かった。この3.5倍の時間で完走できるのだろうか。コースを脳内再生しながら、不安と葛藤する。いや、大丈夫。きっと”案ずるより産むが易し”。