「黒い服が好き」 50歳の決意

この夏、私50歳になりました! 「40代」の欄に○をつけられなくなったことに一抹の寂しさを覚える半面、生まれて半世紀たったということが面白くもあります。先輩方から「人生は短いんだから好きなことをしなさい」とよく言われますが、今年はしみじみ「そうだなぁ」と思います。

そこで、50歳になって自分に解禁したものがあります。それは「黒い服」。長い間、仕事中心の生活をしていた私にとって、洋服は「人の目にどう映るか」が大事でした。きっかけは、放送局に入社してすぐ、黒い服でテレビに出て「暗い! 見る人の目になって服の色を選びなさい」とアドバイスされたこと。今はテレビでシックな服を着ている方も多いですが、当時(約25年前)は、カラフルなジャケットが女性アナウンサーの定番のような時代だったのです。黒い服を着ると「お葬式行ってきた?」と聞かれるほどでした。

確かにテレビ画面では服の色が顔映りを左右します。それ以来“顔映り命”、さらに貧乏性の私は「洋服は仕事で使えないともったいない」と、自分の好みはさておき「遠目に見てパッとするか」「画面映えする色や形か」という基準で買う癖がついていました。気付いたらクローゼットの中は赤、白、黄色のお花畑です。

でも、思い出したのですよ。本当は黒も好きだってこと。50歳になったのですから、もう着ていいですよね。「映え」よりも「好きなもの」。遅ればせながら、黒、ようやく楽しめるようになりました。

黒い服を着るとちょっと緊張します。着方、これであっているのか不安


Profile
村上美香

1971年、熊本市生まれ。第一高、熊本大文学部卒。94年に熊本県民テレビ(KKT)にアナウンサーとして入社。夕方の人気番組「テレビタミン」を21年間担当し、「みかちゃん」の愛称で親しまれた。2018年春、同番組を引き継ぎ、KKTも退社。「ヒトコト社」代表。ホームページはhttps://hitokotosha.com