認知症の人を「みる」

あなたは「みる」と言えば、どんな漢字を思い浮かべますか? 私がパッと思い浮かべた漢字は「見る」「観る」「視る」です。あなたはいくつ、浮かびましたか?

これは漢字のテストではなく、今私が学んでいる認知症についてのお話。認知症ではない私たち(非認知症と言います)は、認知症の人に対して「みる」に関する意識を高めることが大事だそうです。認知症ケアや予防のプロである理学療法士の川畑智さんによると、非認知症の人が認知症の人に接する時に「見る」だけでは不十分とのこと。「見る」というのは「視界に入る」という意味で、ぼーっとしていても見えている状態。ちょっと進んで「観る」は観察という言葉もあるように、じっくり観る。さらに「視る」になるとそこに「考える要素」が入り、「診る」で診断を下す、その先の「看る」は看護の看で命をサポートするように看るというところまでが必要だそうです。

認知症について学ぶ仲間たち

認知症の方、特にアルツハイマー型の方は「みる」機能が低下していて、健康な人の半分くらいの反応になってしまうとか。その視界を例えるなら、まるで水中メガネをかけたまま生活をしているようなもの。もしくはトイレットペーパーの芯を二つ、それぞれの目にあてて物を見ているような感覚ですって。だとしたら、反応が遅くなって、交通事故などの危険が増すのも理解できます。まずは違いを知ることから。非認知症の私たちは、じっくり相手を「みる」必要がありそうです。


Profile
村上美香

1971年、熊本市生まれ。第一高、熊本大文学部卒。94年に熊本県民テレビ(KKT)にアナウンサーとして入社。夕方の人気番組「テレビタミン」を21年間担当し、「みかちゃん」の愛称で親しまれた。2018年春、同番組を引き継ぎ、KKTも退社。「ヒトコト社」代表。ホームページはhttps://hitokotosha.com