【400号】あんなこと、こんなこと… くまもと30年紀行
新年は「平成30年」。長かったような、短かったような…。翌31年4月30日を最後に元号が変わることも決まり、大きな区切りの年となります。すぱいすでは、熊本での出来事などを通じて、平成の時代を振り返ってみました。
"超"駆け足で振り返る! くまもとの平成史
私たち 平成の歴史と共に歩んできました!!
平成の世がスタートした「平成元年」に生まれた人や、その年に始まった県内の出来事にスポットを当て、当時を懐しみつつ、平成の時代を振り返ります。
30回目を迎える「約束の日」
カントリーゴールド
平成元年9月23日、第1回開催
当時県知事だった細川護煕さんから「アスペクタに目玉イベントを」と要請されたのが、始まったきっかけだそう。
毎年10月第3日曜に開かれるカントリー音楽の祭典は「約束の日」として知られ、毎回、本場米国のミュージシャンらが出演。全国から大勢のファンが訪れています。「実は29回、皆勤のお客さんが34人もいます」と実行委員会会長のチャーリー永谷さん。「音楽を楽しむだけでなく、来場者同士が交流し、友達になれるイベント。会場にあふれる温かさを皆で分かち続けたいですね」
日米交流を目的に始まった「カントリー・ゴールド」=南阿蘇村の県野外劇場アスペクタ
平成30年、こんな年に!
記念すべき第30回は、平成30年10月21日(日)に開催予定です。より特別で、スペシャルな「約束の日」にしますよ!
イベント実行委員長
チャーリー永谷さん
熊本市動植物園の人気者
キンシコウ
平成元年8月1日公開スタート
中国の珍獣・キンシコウは熊本市制100周年事業の一環として来園。当時は3カ月の期限付きの展示で、期間中の来園者は200万人を超えたそうです。平成5年に再び中国から借り受け、長期展示がスタート。飼育や繁殖が順調に進み、現在は両親と2男1女の5匹が仲良く暮らしています。
国内でキンシコウが飼育されているのは同園だけ。初来園時に飼育担当だった診療教育班の松﨑正吉さんは「中国にいるキンシコウとの動物交換を実現させて、孫世代の繁殖を目指したい」と話しています。
金色に輝く美しい毛並みと愛らしい表情が特長。熊本地震の影響で立ち入り禁止エリアにいますが、皆、元気に過ごしています
平成30年、こんな年に!
キンシコウの元気な姿を一日も早く見ていただけるよう、施設の復旧に全力で取り組みます。
熊本市動植物園 診療教育班・獣医師
松崎 正吉さん
沿線住民に不可欠な"地域の足"
くま川鉄道
平成元年10月1日開業
鉄橋を駆け抜ける観光列車「田園シンフォニー」
くま川鉄道の始発駅・人吉駅のホーム
人吉市と湯前町を結ぶ第三セクター「くま川鉄道」は平成元年10月、JR湯前線を引き継ぎ開業。沿線に暮らす人々の貴重な交通手段になっています。
列車の旅を多くの人に楽しんでもらおうと、平成2年から「納涼ビール列車」、26年からは観光列車「田園シンフォニー」が運行開始。さらに、「おかどめ幸福駅」が縁起の良い駅名として話題になるなど、ローカル鉄道ならではの魅力も発信しています。開業と同時に入社した企画営業課長の下林孝さんは「“地域の足”として人吉球磨の交通と観光を支えていきたい」と抱負を語ります。
平成30年、こんな年に!
地域の人と積極的に交流しながら、柔軟な発想と安全第一で、元気のあるローカル線として頑張っていきたいですね。
くま川鉄道 企画営業課長
下林 考さん
私たち"平成世代"はマイペース型が多いかも
タレント
村上めぐみさん
平成元年2月27日生まれ
高校2年の時、恋人にフラれた勢いでダンスを習い始めたのが、タレントになる最初のきっかけでした(笑)。タレント・藤本一精さんの指導のもと、18歳の時、テレビ番組のオーディションに合格し本格的にタレント活動をスタート、今に至ります。
生まれた時から豊かで、モノがあふれていた私たち“平成世代”は、マイペースな人が多いかも…。その分、自分らしく等身大で生きる価値観をみんな持っている気がします。
熊本市出身。KKTの情報番組「サタデココ」やCMなど出演多数
平成30年、こんな年に!
街を歩いていたら誰にでも気付いてもらえるよう、知名度をアップすることが目標です。そして、つかんだレギュラーのお仕事を離さない!
バスケ界にとって「平成」は激動の時代
男子プロバスケットボール 熊本ヴォルターズSF
福田 真生(まお)選手
平成元年7月26日生まれ
2人の兄の影響で小学2年の時にバスケットボールを始めました。中・高・大と、チームメートと切磋琢磨(せっさたくま)する中で、プロへの道を決意しました。熊本に来た最初のシーズンでチームが躍進。素晴らしいチームメートや温かいサポーターに恵まれ、着実に成長できていると思います。
平成は日本のバスケ界にとって、リーグ再編など激動の時代。その中で熊本、そして日本のレベルは確実に上がっていると感じます。
北海道出身。平成28年から「熊本ヴォルターズ」所属
平成30年、こんな年に!
今シーズンこそ、プレーオフ進出、そしてB1昇格を目指します。たくさんの方に応援に来ていただけたらと思います。
平成元年、こんな出来事も…
本渡市(現・天草市)に「長嶋茂雄球場」完成(6月10日)
“ミスター”こと長嶋茂雄氏が天草トライアスロン大会の名誉会長だった縁で命名されたそう。
熊本城宇土櫓(やぐら)修復と数寄屋丸2階大広間復元工事完了(9月29日)
築城以来現存する宇土櫓は、熊本地震を耐え抜いたことでも話題に。
熊本朝日放送(KAB)開局(10月1日)
この年から熊本県もついに民放4局体制になりました。
鶴屋パーキング(熊本市)完成(12月1日)
地下2階、地上10階建ての大きな駐車場が街なかに完成!
九州自動車道八代ー人吉間開通(12月7日)
かつて約1時間かかっていた道のりが約半分に短縮されました。
〈参考資料〉熊日刊「熊本の平成年表」、熊日紙面
"平成生まれブランド"を実感
小・中学校の入学式や卒業式、成人式など節目の式典で必ず言われる「平成生まれがいよいよ○○!」。それを聞くたび“平成生まれブランド”を実感していました。時代の始まりとともに人生がスタートしたのは、どこか運命的ですね(笑)。
あの頃は良かった〜!?
平成元年ごろの思い出【読者投稿】
消費税反対の署名を求められ…
当時、中学1年生でした。スーパーの前で消費税導入反対の活動が行われていて、私も署名を頼まれました。私が、背が高く老け顔だったためか、「大学生の方ですか?」と尋ねられたのを苦く覚えています。やがて消費税3%が始まり、計算が苦手な私は、さらに苦しい思いをしました。
(和水町/菊水のこうぴ~どんさん)
ねるとんパーティー全盛
とんねるずのテレビ番組の影響で、「ねるとんパーティー」という名のお見合いパーティーが真っ盛り。週末のたびにパーティーに参加しては、熊本市に3軒だけあったカプセルホテルに泊まる、というのがお決まりコースでした。青春を謳歌(おうか)した楽しい日々でした。
(熊本市/塩爺さん)
初めて本物の気球を見た
熊本市制100周年の年でした。GWに今の坪井川緑地で気球のイベントがあり、初めて気球を見た私はビックリ。父の知人に、気球をバックに写真を撮ってもらいました。その写真は今も大事に持っています。
(熊本市/ガチャリラさん)
コンテナ型のカラオケボックス
高校に入学して、まず友達と遊びに行ったのが、オープンしたてのカラオケボックス! まだ出来たばかりの建物はコンテナ型でした。そして忘れもしない、1曲100円(今考えると高~い!)。1曲1曲慎重に曲を選び、最初から最後まで丁寧に歌った記憶があります。
(熊本市/くまもんきちさん)
どんな暮らしに変わってる?
くまもと30年後 大予想
この30年、IT技術の進展などで私たちの生活は劇的に変わりました。では、30年後の暮らしは?情報通信の専門家に“大胆”予想してもらいました。
お話を聞いたのは
崇城大学情報学部情報学科 教授 工学博士
星合(ほしあい) 隆成さん
NTT主幹研究員などを経て、平成24年4月から現職。地域コミュニティーブランド(SCB)ならびにP2Pの提唱者として、多くの地域活性化プロジェクトに携わる。
SFの世界が現れているかも…!?
この30年で日本の情報通信技術は加速度的に進歩しました。30年後はもっと進化しているでしょう。
現在のスーパーコンピューターが1000年かかる計算を、数秒で行う「量子コンピューター」が実用化されていることが予想されます。さらに、あらゆる場所にセンサーが置かれ、人の動きや五感の統計を取り、クラウド上でビッグデータを分析・学習したAI(人工知能)が働く―。さながらSFの世界ですが、決して夢物語ではありません。
星合教授が予想する30年後
● 農業…気候の影響を受けない工場生産になり、AIが生産量などを徹底管理
● 娯楽…映画やテレビは3Dの立体上映に
● 観光…一人一人の要望に沿った観光情報がオーダーメードで入手可能
● 流通…空に「ドローンの道路」ができ、空からの即時配達が主流に
● 買い物…街なかまで行かなくても、欲しい物がドローンですぐに届く
● 交通…自動運転が主流。タクシーも、呼ぶ前にAIが気付いて来てくれる
コメント
0