【378号】Made in KUMAMOTO 世界への挑戦

「もっこす」「わさもん」。言うまでもなく、熊本人の県民性を表す代表的な方言です。強いこだわりや信念を持つ一方、好奇心旺盛で新しいことに取り組み続ける…。そんな気質を受け継いだ熊本人が、〝メードイン熊本〟製品で、国内はもとより世界に打って出ようとしています。「熊本発世界」を目指す3人の挑戦者と、その熱い思いが込められた逸品を紹介します。


スパークリング日本酒が発泡性ワインの本場フランスへ

「瓶内二次発酵 花の香」

生の状態の醪(もろみ)を瓶詰めして発酵を進める「瓶内二次発酵」で仕上げるスパークリング日本酒。シャンパン等と同じ製法で造られるので、きめ細やかな泡が舞い、お米の優しい味わいとフルーティーな香りで、爽やかな喉越しを楽しめます。「はじめの一歩」「DRY」「DRY9」の3銘柄を発表、今年8月には新銘柄も登場予定。

お問い合わせ

花の香酒造

住所
玉名郡和水町西吉地2226-2
TEL
0968-34-2055 (平日9時〜17時)
備考
購入方法:県内の花の香酒造特約店16店舗にて販売

逆境から得た答えは〝原点回帰〟

花の香酒造 神田清隆さん

明治35年創業の酒蔵(旧名 神田酒造場・和水町)を2011年に継承。6代目。自ら杜氏(とじ)として酒造りをけん引する。代表取締役社長兼製造責任者。40歳

花の香酒造 神田清隆さん

蔵を引き継いだ頃は、経営難に日本酒の消費低迷も重なり廃業寸前。切羽詰まった状況下、「獺祭(だっさい)」で有名な山口県『旭酒造』の櫻井博志社長(現会長)に教えを請います。すると「まずは日本酒を知りなさい」と快く神田さんを迎え入れ、酒造りの全工程を包み隠さず学ばせてくれたそう。神田さんは不休で学び続け、修業を終えると酒造りへの考え方が大きく変わったとか。当時、ニーズに合わせ芋焼酎製造に注力していましたが、「和水町のテロワール(自然環境)ともいえる気候、風土、土壌、水、その水が育んだ米で日本酒を造る」と原点回帰を決意。地元農家の協力を仰ぎ、現在23町の水田で酒米「山田錦」を栽培、今後も拡大の予定です。

「夢は、花の香の酒を通じて和水町と町の酒米を世界的ブランドにしたい。例えばロマネコンティの畑のように」。昨年、欧州のワイナリーを視察。これからフランスをはじめ世界を見据えての展開を計画しているそうです。2020年、花の香ブランドを全量和水町産の山田錦で製造する『和水町テロワール』実現のため、神田さんの挑戦が始まります。

神田さん

醸造タンクを攪拌(かくはん)する神田さん。辺りには特有のフルーティーな香りが立ちこめています

視察で出会ったシャンパンメゾン・キャティア11代目当主と

視察で出会ったシャンパンメゾン・キャティア11代目当主と


〝光で起きる〟を常識に

ムーンムーン株式会社 竹田浩一さん

光目覚まし時計ほか、横向きで寝る枕など、睡眠グッズの開発販売会社の代表取締役。趣味はサッカー。熊本市出身。35歳

ムーンムーン株式会社 竹田浩一さん

幼少期から睡眠障害に悩まされていた竹田さんでしたが、2011年、28歳の時、海外から取り寄せた「光目覚まし時計」の効果に驚きます。「日本では医療用器具として導入されていたけど、高額で一般向けではありませんでした。普及型の扱いやすい製品なら、きっと同じ悩みを持つ人のためになる。腹の底からほれ込んだ商品を作って、勝負したいと思ったんです」

もともと大学時代からDVDソフト等のネット販売会社を運営。新たに睡眠グッズ専門の会社を立ち上げました。医療機関を訪ね、専門家の意見を収集することから始まり、工場探しまで東奔西走の日々が続きました。翌年、試行錯誤の末に完成した初代の光目覚まし時計「OKIRO」が好評を得て、現在は東京支社を持つほか、ニューヨークにも会社を登記、実店舗を設ける予定です。「熊本は一番落ち着く場所。だからこそ世界というアウェイで挑戦し、多くの人の役に立ちたい。外で吸収したことを、最終的には熊本に還元していきたいと思っています」

今年1月、NYで法人登録の契約を締結しました

今年1月、NYで法人登録の契約を締結しました

同社の横向き寝専用まくら「YOKONE2」を製造している工場

同社の横向き寝専用まくら「YOKONE2」を製造している工場

睡眠障害に悩む世界中の人たちを希望の光で照らしたい

「光目覚まし時計 inti SQUARE」

起床時に5〜30分、太陽の明るい光を浴びると体内時計がリセットされるといわれます。脳内では目覚めを促すセロトニンが生成され、それが夜になると睡眠を促すホルモンに変わるという生理的メカニズムを応用した目覚ましです。設定時間に最大20,000ルクス(同社測定値)の明るい光が点灯し、不快感のないスッキリした目覚めを促してくれます。

inti SQUARE

ムーンムーン3代目の光目覚まし時計「inti SQUARE」(左)。右2つの前モデルよりも光量が増し、インターフェースも向上

お問い合わせ

ムーンムーン株式会社

住所
中央区上水前寺1-3-9
TEL
0120-959-843
備考
購入方法:ホームページ http://moonmoon.bizから、 もしくは電話注文

人吉・球磨の宝物を若い世代へ

写真作家 濵田喜幸さん

錦町で写真スタジオ「スラップスティック・フォト」を運営。ライフワークとして相良三十三観音をはじめ、人吉・球磨地方の文化財を撮影。相良村特使、球磨郡錦町出身。43歳

写真作家 濵田喜幸さん

「人吉・球磨地方には古くから伝わるモノや風景が、まだ数多く残っています」。濵田さんは、オフの日になるとカメラを携え、自転車で撮影に出かけるそうです。東京の写真学校を卒業後、スタジオなどで修業、現在は錦町に拠点を構えています。ライフワークの相良三十三観音をはじめ、文化財を精力的に撮影。「仏像は地味だからか、若い人はあまり興味がないみたいで…。私の作品が海外で知られることで、若者が地元に伝わる宝物に気づいてくれるきっかけになればいいですね」

相良三十三観音三十番札所「秋時観音」を撮影する濵田さん

相良三十三観音三十番札所「秋時観音」を撮影する濵田さん

今年2月に四浦和紙作品の可能性を探るため渡仏。途中、相良村特使としてヴァレンタイン村を訪れます。そして翌月、パリのギャラリーの展示会に出品。反響を受け、9月には仏像写真の個展を同地で開催する予定です。「四浦和紙に写し出すと独特の立体感が出て、経年とともに水墨画のような深い味わいが醸し出されるのです」。相良藩700年の歴史の中で受け継がれてきた仏像と和紙が一つの作品となり、人吉球磨の新しい価値として世界に羽ばたきます。

フランスのヴァレンタイン村で、村長に作品を紹介している様子

フランスのヴァレンタイン村で、村長に作品を紹介している様子

伝統和紙に写し出された仏像写真 芸術の都・パリへ飛び立つ

「四浦(ようら)和紙写真仏像」

相良藩の御用紙として重宝された相良村の四浦和紙。「相良三十三観音」他、人吉球磨の古刹(こさつ)を巡り撮影した写真を、表具師の魚返倫央さん(人吉市在住)の協力のもと、この手漉き和紙に印画した作品です。独特の立体感が仏像の魅力を伝えます。四浦和紙は継承者不足が深刻。濵田さんは2年前に技術を継ぐため保存会に入会し修業。作品は自身ですいた紙を用いています。

今年9月パリの個展に展示予定の「四浦和紙仏像作品」の一部

今年9月パリの個展に展示予定の「四浦和紙仏像作品」の一部

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スラップスティック・フォト

住所
球磨郡錦町西1445
TEL
0966-38-0603
備考
購入方法:ホームページhttp://www.slapstick-photo.com から、もしくは電話注文

世界が認めた熊本の逸品

既に世界の食品コンクール等で受賞した熊本生まれの誇るべき商品をピックアップしました。

国際味覚審査機構(iTQi)優秀味覚賞

世界中の食品・飲料品の「味」を審査し、優れた製品を表彰。審査員はヨーロッパで権威ある15の調理師協会および国際ソムリエ協会(ASI)に属する一流シェフやソムリエが行う。

★★★三つ星

阿部牧場「ASO MILK」

「牛にストレスのない環境づくりが大切」と代表の阿部寛樹さん。阿蘇の広大な牧草地で飼育し、搾りたての牛乳をすぐに低温殺菌することで、濃厚な甘みとさっぱりした味わいを実現します。

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阿部牧場「ASO MILK」

TEL
0967-32-0565

阿部牧場「ASO MILK」


★★二つ星

カネリョウ海藻「究極のこぶ茶」

宇土市に拠点を構える日本屈指の海藻メーカー。羅臼昆布、国産サトウキビ、淡路島産の藻塩と、厳選素材を使用した無添加のこぶ茶は、飲むだけではなく、調味料としても幅広く活躍。

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カネリョウ海藻

TEL
0120-087-081

カネリョウ海藻「究極のこぶ茶」


★一つ星

熊本チキン「うまかハーブ鳥」

鶏肉(原体)として日本で初めてiTQi優秀味覚賞を受賞。飼料の中に厳選したハーブを入れることによって鶏のストレスを減少させ、健康で元気な鶏に育てられるのだそう。

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熊本チキン

TEL
0968-46-3188

熊本チキン「うまかハーブ鳥」


ロサンゼルス・インターナショナル・スピリッツ・コンペティション

78年の歴史を誇る蒸留酒の品評会。世界で名高いジャーナリストやバーの経営者、蒸留酒の製造業者などが審査員となり、銘柄を伏せたブラインドテイスティングによって評価される

金賞

高橋酒造「吟麗しろ(銀しろ)」

吟醸酒のような麗しく華やいだ香りが特長。この贅沢(ぜいたく)な風味は吟醸酵母を使用し、低温発酵で造られるため。清冽な水とおいしい米、受け継がれた杜氏の技が造りだす逸品です。

お問い合わせ

高橋酒造

TEL
0966-24-7726

吟麗しろ(銀しろ)


金賞

豊永酒造「豊永蔵」

ほのかな吟醸香にすっきりとした味わい。地元契約農家が作るオーガニック認証を受けた有機米のみで造られた「オーガニック焼酎」には、球磨の自然や風土が感じられます。

お問い合わせ

豊永酒造

TEL
0966-43-2008

豊永蔵