【502号】聖なる夜を心豊かに過ごしませんか クリスマスに読みたい絵本

もうすぐクリスマス。家族や大切な人とワイワイ楽しむのもいいですが、たまには、とっておきの絵本を開いて心豊かに聖夜を過ごしてみてはいかがでしょう。絵本に詳しい書店スタッフの協力で、読者スタッフが“クリスマスに読みたい”絵本をピックアップしました。

心に響く ストーリーの数々

子どもに読み聞かせたい 絵本7選

クリスマスを題材にした絵本は多数出版されており、子どもへの読み聞かせに適した作品も多いようです。長崎書店の中山理紗さんに選び方のポイントと、読み聞かせの大切さやコツなどについて聞きました。併せて、中山さんお薦めの7冊を読者スタッフがそれぞれ味わいました。

絵本を通じて深まる 親子のコミュニケーション

絵本選びのポイントは3つ。1つ目は、ロングセラーの中から選ぶこと。長年読まれている絵本は安心感があります。2つ目は、子どもが興味を示した本。0~2歳児には、言葉の響きやリズムが心地よい絵本がお薦めです。3つ目は、親自身も楽しめること。読み手の声の調子で面白みが伝わり、親子の心の触れ合いが深まります。

本は「出合ったときが新刊」です。表紙の絵や中身の雰囲気に「ビビッ!」ときたら運命かも? まずは自分が興味を持った本を手に取ってみてください。

読み聞かせは親子のコミュニケーションの時間として大切です。ユーチューブの動画などでも絵本を見聞きすることはできますが、これらは全て一方通行。親が読み聞かせをすることで物語の魅力を共有できます。親子で絵本を楽しんでほしいですね。

読み聞かせ4つのポイント

効果的な読み聞かせで子どもの想像力が広がり、集中力もアップ!

基本の姿勢

子どもを膝の上に乗せたり添い寝をしたり、お互いの温もりを感じられる距離感がベスト。幸せな時間として子どもの記憶に残り、愛情の証しにもなります。

声の大きさ

淡々と読むとつまらない印象になってしまいます。大げさな抑揚やつくり過ぎもイメージが固定化されてしまうので注意を。普段の話し声の大きさが理想です。

話す速度

親子で普段会話をする速さが目安。子どもが言葉や絵を理解しやすいよう、ゆっくり、はっきりとした声で読んであげてください。

読む回数

「もう1回」は最高の褒め言葉。中身を知っていてももう一度体験したいのは、それだけ面白かったということ。リクエストにはできるだけ応えてあげましょう。

店舗情報

長崎書店

住所
熊本市中央区上通町6-23
TEL
096-353-0555
営業時間
10時~20時

[0〜2歳向け]『サンタさん どこにいるの?』

ひらぎみつえ=作、ほるぷ出版、935円

ワクワクする「仕掛け絵本」。表紙から仕掛けがあり、ページごとにかわいいサンタさんが隠れています。「サンタさんはどこかな?」と言いながら、子どもと一緒に楽しみながら読めますよ。厚紙を使った丈夫な作りなので小さな子どもが扱っても破れにくく、安心です。


[2歳〜向け]『さんかくサンタ』

tupera tupera=作、絵本館、1320円

まる・さんかく・しかくのシンプルな形をベースにしたカラフルな絵が印象的。リズミカルな文章で読みやすく、子どもと話しながら楽しめます。簡単な文章なので、5歳の子どもは1人で読むことができました。幅広い年齢にお薦めです。

読者スタッフ 中島理香さん


[3歳〜向け]『ねこのピート クリスマスをとどけよう』

エリック・リトウィン=作、ジェームス・ディーン=絵、大友剛=訳、長谷川義史=文字画、ひさかたチャイルド、1430円

風邪をひいたサンタさんの代わりにプレゼントを届けることになった、ねこのピート。「やってみるよ!」と、何があっても前向きなピートに元気をもらえます。楽譜付きの歌があり、わが子たちは大合唱していました。大人数に読み聞かせたら、さらに盛り上がるかも!

読者スタッフ 花田恵美子さん


[4歳〜向け]『まどから☆おくりもの』

五味太郎=作、偕成社、1100円

家の窓が穴開き仕様になっている「仕掛け絵本」。窓の中にチラッと見える姿を見て、サンタさんは贈り物を選んで配るのですが…意外な結果にみんなびっくり! クスッと笑えて、心がほっこりします。親子で楽しめて、何度でも読みたくなる絵本です。

読者スタッフ 平川友紀さん


[5歳〜向け]『おおきいツリー☆ちいさいツリー』

ロバート・バリー=作、光吉夏弥=訳、大日本図書、1430円

大きなクリスマスツリーをみんなで分け合う、心温まるストーリー。独り占めしないで譲り合いができる、広い心を持った優しい大人になってほしい―。こんな親心が伝わるといいな…と思いながら、5歳の息子に繰り返し読んであげました。

読者スタッフ 千田洋子さん


[6歳〜向け]『サンタクロースっているんでしょうか? ―子どもの質問にこたえて』

偕成社、880円

「サンタクロースっているの?」という、8歳の少女の質問に対し、アメリカの新聞「ニューヨーク・サン」の社説に書かれた回答を絵本にした一冊。純粋な心を持つ子どもたちにこそ感じてほしい、「目には見えないけれど大切なもの」に気付かせてくれます。

読者スタッフ 平田美幸さん


[6歳〜向け]『ビロードのうさぎ』

マージェリィ・W・ビアンコ=原作、酒井駒子=絵・抄訳、ブロンズ新社、1650円

優しく温かみのある絵、いとおしいストーリーに思わず涙しそうになります。読むたびに、私自身が小さい頃に遊んでいたおもちゃや、「モノには命が宿るから大切に」と教えてくれた祖母の言葉を思い出します。切ないけれど余韻が残り、抱きしめたくなる絵本です。

読者スタッフ 藤原睦美さん


大人も楽しめる 絵本3選

絵本は子どもだけのものじゃない!? 長崎書店の中山さんに、大人ならではの絵本の楽しみ方について聞き、お薦めの3冊を選んでもらいました。
“読スタ”の感想付きで紹介します。

豊富な経験値でいろんな解釈が可能 気分転換にお薦め

たくさんの経験を積んできた大人が絵本を読むと、一冊の絵本でもいろいろな解釈ができます。100人いれば100通りの読み方ができるのが、子どもにはできない、大人ならではの絵本の楽しみ方ではないでしょうか。

限られたページで構成されている絵本は、短い言葉と絵で分かりやすく描かれており、内容がすっと心に入ってきます。5~10分ほどで読めてしまうものが多いので、短時間で気分転換をしたいときにはお薦めですよ。

日常に疲れて癒やされたいとき

『だんろのまえで』

鈴木まもる=作・絵、教育画劇、1210円

忙しい日常、ホッと一息つきたいときってありますよね? 疲れたときにこの絵本を読むと心がほっこりして気持ちが軽くなります。物語に登場するうさぎさんの深く優しい言葉が心に刺さり、響き渡ります。最高の癒やしの絵本です。 (藤原さん)


とにかく"クリスマス感"に浸りたいとき

『The Fir Tree モミの木』

ハンス・クリスチャン・アンデルセン=作、サンナ・アンヌッカ=絵、小宮由=訳、アノニマ・スタジオ、2420円

アンデルセンの名作童話で、大きくなりたいと願うモミの木の心温まる物語。フィンランドの有名ファッションブランド「マリメッコ」のデザイナーのイラストで描かれています。布装、金ぱく押しの装丁は特別感があり、お部屋のインテリアや贈り物にも◎。 (平川さん)


わが身を振り返ってみたいとき

『ことばのかたち』

おーなり由子=作、講談社、1320円

日々、何げなく使っている「言葉」。ささいな一言ですごく仲良くなったり、逆に不仲になったり―。この本を読みながら「相手を大切に思うからこそ、発する一言を大切に過ごしていきたい」と、わが身を振り返りました。気持ちが前向きになれる一冊です。 (千田さん)