【510号】オール男性スタッフによる「男」の不定期連載 すぱ男(だん) 第12回 男はなぜ、小屋を自分で建てたいと熱望するのか 編

静かな広がりを見せている“小屋セルフビルド”。人里離れた山の中に自力で小屋を建て、ひとときを過ごす自分を想像しては、ニヤニヤしている方もいるのでは。ドラマ「北の国から」の主人公・田中邦衛が演じた黒板五郎に憧れて4500坪もの土地を自力で開墾し、そこに7棟の建物を建てたスーパーセルフビルダーを阿蘇郡小国町に訪ねました。

ひらめきもやり直しも楽しむ

上野敏夫さん(65)と奈美さん(60)は1993年、福岡県から阿蘇郡小国町に夫婦で移住しました。4500坪の山奥の土地を、重機を使って自ら切り開き、小屋を建て続けてきました。その数は、これまでになんと7棟! セルフビルドの小屋を宿泊施設やレストラン「リトル カントリー」として、誰もが楽しめる場所にしてしまいました。

上野さんは、「なんでも自分でやってみたいタチ」。当初は〝建物を造ってみたいという思いだけ〟で小屋造りを始めたのだとか。30代の頃、居候していた長野県の山中で家造りを手伝い、自分でできると実感。住宅の工事現場を見つけては見学させてもらい、次第に〝自分の隠れ家は自分で造れる〟という自信が生まれたと話します。

写真上は2013年に着工し、今も建築中の自宅。完成させたくない気持ちもチラリ。

「死ぬまで造り続けたい」

小国で小屋造りを始めてすぐ、「こんなに楽しいことを、お金を払って人にやってもらうなんてもったいない!」と思うようになったとか。上野さんは、必要な資材のほとんどを廃材や拾ってきたもので賄ってしまいます。「捨てればゴミ、使えば資源」だと笑顔。また、設計図にとらわれず「例えば、以前拾っておいた窓枠が使えるんじゃないかなとひらめいたら、そこに窓を造ってみる。やってみて、失敗したらやり直す」という発想です。

「うまくいかない時は無理に進めず、保留にします。そして別のところを造りながら、考え続ける。すると、ひらめく時があるんです。とにかく無理をしないことが、楽しく造り続けるコツじゃないかな」と話します。

現在、移住から27年目にして初めての〝自宅〟を建築中の上野さん。同敷地内に8棟目となる建物です。出来上がった空間で過ごす時間よりも造る過程が好きなようで、自宅が完成してしまうのがちょっと寂しい様子。「死ぬまで造り続けていたいですね」と子どものような笑顔で話してくれました。

食事もできる八角形のオープンテラス

ひとくちメモ

セルフビルドで木造の小屋を建てる場合、一般的に都市計画区域外なら建築確認は不要。電気、水道、ガス、電話などの工事は専門業者に依頼することになります。例外がある場合もあるので、詳細は市町村役場にお尋ねください。

レストラン棟にある暖炉も、もちろん自作。でも、自分が造った空間で過ごすことにはあまり興味がないとか。「とにかく、造るのが好きなんです」

自ら建てた建物で「リトル カントリー」を営む上野敏夫さん

「リトル カントリー」は、週末だけ営業のレストラン。宿泊用のロッジもあります。天然酵母の石窯パンやピザが名物です

イングリッシュガーデンの中心に建てられているのがレストラン棟。冬の間はお休みですが、3月には営業がスタート。小屋好きの方は、ぜひ一度訪ねてみてください

お問い合わせ

リトル カントリー

住所
阿蘇郡小国町上田869
TEL
0967-46-5403

ついでにこんなものまで手作りしてしまいました

一人息子と一緒に木工を楽しむことも。3人乗りのカヌーは、近くの川で家族で楽しみたいと手作り

冬場の積雪で遊ぶため、写真を参考にして作った犬ぞり。当時の愛犬が引いてくれて大満足だったそう

上野さんがなめしたヒツジの皮と、奈美さんが紡いだ毛糸で作った子ども用のモカシンシューズ


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