【528号】あなたの知らない現代用語の世界

ITの普及や、グローバル化などにより、仕事上だけでなく日常生活においても、当たり前のようにビジネス用語やカタカナ言葉が使われるようになりました。でも、「一体どんな意味?」「今さら聞けない…」と思っている人も多いのでは? そこで今回、新聞やテレビなどでよく耳にする、気になるキーワードをピックアップ。県内で実践されている取り組みを通して、分かりやすく解説します。

「今さら聞けない」現代用語 事例を交え分かりやすく解説 


SDGs【えすでぃーじーず】

2015年9月の国連サミットで採択された“持続可能な開発目標”という意味の英語「サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ」の頭文字を略した言葉。すべての人が幸せに暮らせる持続可能な社会を実現させるための新たな指針として、国際社会全体で取り組む17の目標と、具体的な169の達成基準で構成されています。

「誰もが幸せに暮らせる接続可能なまち」に

熊本市の取り組み

国の「自治体SDGsモデル事業」に選ばれた熊本市では、熊本地震の経験と教訓を生かした地域(防災)力の向上や、持続可能な開発のための教育「ESD」などに取り組んでいます。例えば北部中では、生徒らが食品ロスをテーマにした調査を行い、家庭ごみの割合を数値化して自分たちにできる取り組みを提言しました。また、貴重な地下水を守る「くまもと水守(みずもり)」活動が市民の手で行われたりと、「SDGs」の取り組みが多方面に広がっています。同市環境政策課の橋本倫子さんは、目指すべき熊本市像を「誰もが幸せに暮らすことができる持続可能なまち」と言います。

昨年度、SDGsが掲げる目標や身近な課題などを、カードゲームを使って分かりやすく学ぶイベントが、市内各区で行われました(写真は熊本市提供)

熊本市環境政策課
橋本倫子さん

これからの熊本、世界のために、SDGsに一緒に取り組みましょう!


サブスクリプション【さぶすくりぷしょん】

商品やサービスなどを一定期間に定額で利用できることを意味します(日本語訳は「定額制」)。元々は新聞や雑誌などの定期購読から始まったビジネスモデルですが、インターネットの普及と発展により、さまざまな業界で導入が進み、今では映像・音楽配信など、多様なジャンルのサービスを受けられるようになりました。

定額サービスの波 飲食業界にも 九州発の"サブスクカフェ"が熊本に誕生

Cenchalloresの取り組み

昨年2月、全国の飲食店でいち早く「サブスクリプション」を取り入れ、九州初の“定額制カフェ”としてオープン。月額5980円~で、世界中から厳選した豆を使ったスペシャルティコーヒーをはじめとするソフトドリンクを、1日1杯提供するシステムを導入しています。「よりストレスフリーで利用してもらうために、お金の所持と支払いの手間を省きたかった」とオーナーの高宮新一郎さん。雑味の少ないまろやかなコーヒーを片手に、モノトーンを基調とした店内でゆっくりくつろぐのはもちろん、テークアウトの利用も可能。その日の気分に合わせて楽しめます。

定額サービス利用時には会員証を提示。3カ月と6カ月プランがあります

電源とWi-Fiを完備し、仕事や勉強など使い方はいろいろ。定額制会員でなくても利用できます

Cenchallores オーナー
高宮新一郎さん

皆さんのご来店をお待ちしています

センチャラーズ

http://cenchallores.com/

店舗情報

Off-Grid Cafe Cenchallores(オフグリッドカフェ センチャラーズ)

住所
熊本市中央区新大江2‐9‐25
営業時間
13時~23時
休業日
日・月曜、その他不定
備考
※問い合わせはInstagramアカウント「@cenchallores_kumamoto」まで

シェアリング・エコノミー【しぇありんぐ・えこのみー】

「シェアリング(共有)」×「エコノミー(経済)」を掛け合わせた造語で、個人が保有する空間や乗り物などの遊休資産を、インターネットを介して貸し出す新しい経済の動き。日本でもカーシェアリングなどさまざまなサービスが展開され、2025年には全世界の市場規模が3350億ドル(日本円で約36兆円)に達すると予測されています。

日本が抱える地域課題の解決へ 「定額住み放題サービス」を展開

ADDressの取り組み

全国の空き家などを借り上げ、住まいとして活用するサービスを展開する「ADDress」。会員になると、定額(月額4万4000円〜)で全国の50拠点を好きなだけ利用可能です。県内には明治建築の町屋を活用した宇城市の拠点と、かつての寝台特急ブルートレインを宿泊施設に改装した多良木町の拠点があります。同社の取り組みにより、全国の各拠点では新たなコミュニティーが生まれ、都市部に住みながら地方と交流する「関係人口」の創出にもつながっているそうです。多良木町の拠点を利用する関達也さん(宮崎市)は「知らない土地に行くきっかけになり、町の人々との縁が持てました」と喜んでいます。

普段は宮崎市に住んでいる関さんファミリー。小学6年生の娘さんは多良木町の「デュアルスクール※」で新しい友達もできました ※地方と都市の2つの学校の行き来を容易にし、双方で教育を受けることができる新しい学校の形

ADDress会員 一般社団法人デュアルライフ協会(R) 代表理事
関 達也さん

空間をシェアすることで新たな経験や人とのつながりが生まれました!


5G(ふぁいぶじー)

現在、スマートフォンなどで使われている通信規格の「4G」や「LTE」の、次の無線通信システムである「第5世代移動通信システム」のこと。「高速・大容量通信」「低遅延」「多数の端末と接続できる」という特長があり、自動運転や医療分野での遠隔治療など、人々の生活を飛躍的に変えると期待されています。今年、日本の都市部でも試験サービスが始まりました。

「5G」で都市部と地域の格差解消も 企業誘致の加速化に期待

MARUKUの取り組み

山都町に本社を構えるITベンチャーのMARUKUは、ICT(情報通信技術)を活用し、首都圏の企業や移住に関心を持つ人と地方とのマッチングを手掛ける地方創生事業を展開。その一環で、廃校を活用した「芦北サテライトオフィス計石(はかりいし)」を運営しており、誘致した在京企業などが拠点を構えます。同社東京オフィスの福元俊平さんは、「新型コロナウイルスの影響でリモートワークが推進されていますが、『5G』が普及すれば、テレビ会議の音質や画質が格段に向上し、大容量データの送受信もスムーズになります。ますます仕事をする場所を選ぶ必要がなくなるので、さらに熊本への企業誘致を進めたい」と意気込んでいます。

5Gが普及すれば、リモートワークや、企業のサテライトオフィスが増え、人々の生活がより便利に、豊かになりそうです

MARUKU エンジニア
福元俊平さん

5Gでは、遠隔地のプレーヤー同士をつないだeスポーツや仮想現実(VR)を使ったエンターテインメントなどもさらに充実するでしょう

MARUKU(マルク)

https://maruku.biz/


熊本 ローカル時事ワードを解説!

カタカナ言葉やビジネス用語に限らず、聞いたことはあるけど、いざ説明しろと言われると難しい─。
そんな言葉ってありませんか? 昨今、熊本でよく耳にする時事ワードについて解説します。
〈参考資料/熊本日日新聞〉

創造的復興

2016年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けたものを、単に元の姿に戻すのではなく、被災前よりも発展した姿に再生しようと県が掲げたスローガン。住まいや交通インフラの再建はもちろん、熊本空港の大型化・民営化や、八代港のクルーズ拠点整備などを行い、国内外から多くの観光客やビジネス客を呼び込む戦略もその一つです。

熊本駅再開発

JR九州が2017年に新しい熊本駅ビルの開発概要を発表。21年春の開業に向けて工事が進められており、19年3月の在来線の新駅舎完成と周辺の高架化(連続立体交差)事業の完了に続き、新たなにぎわいを呼び込む「核」として注目されています。駅ビルは地下1階、地上12階建てで、専門店街「アミュプラザ」が熊本に初登場します。

熊本空港民営化

昨年「熊本国際空港株式会社」が立ち上がり、今年4月に完全民営化されました。2023年春完成予定の、国内線・国際線を一体化した新ターミナルビルには、地域に開かれた商業エリアや、各種イベントを開催できる広場が新設される予定です。計画では、51年度までに国際線を17路線まで増やすとしており、乗り換えなしで“熊本から海外までひとっ飛び”の選択肢が広がりそうです。