【545号】面白いから頑張れる! 高校のユニークな部活

部活と聞いてあなたは何部を思い浮かべますか? 野球部、サッカー部、吹奏楽部…などすぐに思い浮かぶ部がある一方、県内の高校には「こんな部活があるの?」というユニークなものもあります。各校を訪ねてどんな活動をしているのか取材してきました。

珍しいだけじゃない!楽しい部活 輝く高校生たち

興味をそそられる名前の部活、県内で希少な部活、全国的にも珍しい活動の部活など4つを厳選。楽しく取り組む高校生の素顔と一緒に紹介します。

[牛部]県立菊池農業高校

牛がかわいいからもっと知りたい! 愛情込めて毎日お世話

菊池農業高校には、「牛部」という農業高校ならではの部活があります。主な活動は、日頃の牛と農場の管理のほか、品評会への出品。そのため毎日の活動は、牛をきれいに洗うことからスタートします。「気持ちいい?」。大きくて立派な牛の背中や足を洗いながら牛に話し掛ける部員たちの表情はとても楽しそうです。

洗い終わると、品評会で牛を先導する「リードマン」と呼ばれる役の練習が始まります。牛の頭部に付けた頭絡(=もくし)を引き、体全体に目を配ってゆっくりと後ろ向きで牛と一緒に歩く練習です。

プロの酪農家も参加する品評会で良い成績を収めるには、いかに立派な牛と認めてもらうかがポイント。「牛の顔を審査員の前でキリッと上げてポースを決める!」と引退前の3年生が後輩たちに伝えます。今年の品評会は新型コロナウイルスの影響で全て中止。それでも愛情を込めたお世話とリードマンの練習は続きます。

部員19人のうち、ほとんどが農家以外。「入学してから初めて牛に触れた」という部員も多く、共通するのは「牛との触れ合いが楽しい」という気持ち

1週間前に生まれたばかりの子牛。新しい命の誕生も楽しみの一つ

リードマンの練習。牛をよく見て状態を確かめる表情は、真剣そのもの


[県立小国高校]男女陸上ホッケー部

インターハイに何度も出場した歴史あるチーム。特に男子は、先輩たちが全国制覇も成し遂げています

スティックでボールを追う選手たちの攻守が、目まぐるしく入れ替わる陸上ホッケー。部活があるのは小国高校を含め県内に3校のみです。カーボン製のスティックを使って、野球の硬式球ほどの硬いボールを右に左に器用に操りながら、ドリブルやパス、シュート練習を繰り返します。「個人技も連係プレーも楽しめるのが魅力」と部員たち。

キーパー以外、防具はすね当てとマウスピースだけ。スティックやボールが顔に当たることも。「怖くはないけど痛い」と、女子部員が日に焼けた笑顔で話します。「シュート時のボールスピードは、男子で時速200㎞近く出ることもあります」。部のOBでもある顧問の松﨑光太郎教諭の言葉通り、男子になるとさらにスピードと迫力は増します。現在、12月開催の「全国高等学校選抜大会」へ向けて猛練習中。目指すはアベック出場です。

1999年「くまもと未来国体」のホッケー競技会場だった小国町には、小中学校にも陸上ホッケーのクラブがあるため、部員の半数近くが経験者


[県立矢部高校]二輪車競技部

速さ、バランス、テクニック 新たな目標に向け運転スキルアップ!

矢部高校の「二輪車競技部」は、安全運転の向上に特化した全国の公立高校でも珍しい部活です。部員たちは授業が終わると、校舎近くの練習場に集まり大好きなバイクのハンドルを握ります。

練習では、車体を傾けながらコーナーぎりぎりを曲がったり、右へ左へと8の字走行を繰り返したり、障害物を器用にかわしたりと、速さだけでなく総合的な運転スキルを高めます。

部員の目標は、夏に鈴鹿サーキット(三重県)で開かれる全国大会で上位入賞すること。県の代表枠は1名なので仲間はライバルでもあります。今年も練習を重ねてきましたが、コロナ禍で大会は中止に。「今年こそ自分が!」との思いで頑張ってきた3年生たちは悔しさをにじませます。

しかし、今年から部員には普通自動二輪免許取得が認められ新たな目標ができました。生徒たちは「重心の取り方など体の使い方は原付と一緒。ギアの切り替えを覚えて合格したい」と意気込みます。

フルフェイスのヘルメットとプロテクターを着け、通学で認められている排気量50ccのスクーターや、中型バイクを操ります

パイロンぎりぎりのところを曲がります

みんなケガをしないよう注意しながら、走る楽しさを味わっています


[県立菊池高校]スマートアクティ部

自ら学び情報を発信 SNSの危険性を伝えたい

菊池高校の「スマートアクティ部」は、スマートフォンを使った会員制交流サイト(SNS)上でのトラブル防止などに、高校生自らが取り組む全国でも珍しい部活。「スマホの危険性に関する情報発信を、自分たちから行いたい」という有志が集まり、3年前に発足しました。スマホの正しい使い方や危険性について学び、近隣の中学校への出前授業やスマホの安全な使い方についての小冊子の発行などを行っています。また、SNS上でトラブルを経験した生徒からの相談に応じることも。

これまでの活動で中学生や大学生らと意見交換をした経験を生かし、今年1月には、都内で開かれた警察庁主催の「子供の性被害防止セミナー」に参加。また、9月の文化祭ではSNS上のトラブルの事例を4コマ漫画や動画にして発表し、「自撮り写真などを送信する前にもう一度考えよう」などと訴えました。

出前授業がコロナ禍で中止になると、オンラインでの情報発信に挑戦。コロナ禍の中、できることにチャレンジしています。

部員たちは、有害サイトへの閲覧を制限するフィルタリングの利用徹底を呼び掛けます

文化祭で発表した4コマ漫画

県警とコラボして、理解を深めるためのうちわやクリアファイルなどのグッズを作りました