【547号】オール男性スタッフによる「男」のための不定期連載 すぱ男(だん) 第16回 羽織るだけで男前! 本気のレザージャケット編

朝晩の空気がひんやりし、装いも秋冬物のシックなものへと変わりつつある今日この頃。ひときわ渋く男前なオーラを放つ人たちは、重厚感のある“レザージャケット”をカッコよく羽織っています。それを見るたび「今年こそレザーを着こなしたい!」と思うものの、高級なイメージや、コーディネートの難しさから、初めの一歩が踏み出せない―という方もいるのでは。そこで今回、レザージャケットをこよなく愛する熊本市の自営業・青木順一さん(57)に、その魅力と着こなしのイロハを教えてもらいました!

経年変化で体になじむ 一生着られる最高のジャケット

少年時代、往年の名作映画「大脱走」で、レザージャケットを着たスティーブ・マックイーンふんする主人公ヒルツのカッコよさに衝撃を受けた青木さん。初任給で、同じレザージャケットを手に入れました。その後も「革の種類や加工による着心地の違いに魅了されていった」と、今では約30着を所有するまでに。

そんな青木さんにとってのレザージャケットの魅力は、男らしい見た目はもちろん、「長く着ることで自分の体にフィットしていき、唯一無二の衣服になること」。コーディネートについては、「下手に色を組み合わせず、モノトーンのTシャツやスウェットにデニムを合わせて、シンプルにまとめるのが一番。バイクレーサーのようにあまりにハードなものを着て街に出ると、浮いてしまうので要注意(笑)」とアドバイスしてくれました。

また、「レザージャケット=高価」というイメージがありますが、「半世紀を超えても着られる丈夫さがあり、長い目で見れば決して高い買い物ではない」と力説します。とはいえ、長く着続けるには、体形の変化にも気を付けなければいけません。いつまでも愛用のレザージャケットを着続けることをモチベーションに、身も心もセクシーな大人の男を目指しましょう。

牛革製「Collar Single riders jacket」を羽織り、愛車の「Norton」を駆る青木さん。天草市有明町・老岳展望所での一枚


タイプ別コーディネート

[Double]ダブルライダーズジャケット(West Ride)参考価格:17万円

ワイルドな雰囲気が男を上げる ベーシックな定番レザー

無骨な雰囲気が、力強い男の印象を与えてくれる基本型のダブルジャケット。牛革は、硬く重厚なのが特徴で、最初の一着にオススメです。ジャケットの下はクルーネックのトレーナーやセーターなど“襟なし”の服が合い、ジーパンやチノパンとシンプルに着ることで適度な抜け感が出てオシャレです。


[Single]シングルライダースジャケット(Four Speed)参考価格:13万円

シンプルで無駄のないデザイン クールで上品なスタイルに

重厚な牛革を使った定番型のシングルジャケット。クルーネックのシンプルなデザインは、レザージャケットでもハード過ぎず、都会的で洗練された印象を与えます。ボタンダウンのシャツと合わせれば、ドレッシーでオシャレな雰囲気に。着回し力が高く、スラックスとも好相性です!


革によって全く違う印象に! 主な革の種類と特徴

●ホースハイド(馬革)

牛革に比べて薄く軽い馬革。長く着ると腕部分にシワが付いて、風合いを帯びたオリジナルの一着に! シワが“付く”ことを上級者は“立ってきた”と表現します。
A‐2ジャケット
(RAINBOW COUNTRY)


●シープスキン(羊革)

他の革に比べてキメが細かく柔らかいのが特徴。滑らかな質感に加え、薄くてしなやかなので着心地が良く、極寒に耐えられる保温性もあります。
AN‐J4ジャケット
(EASTMAN)


●ゴートスキン(山羊革)

羊革と馬革の中間の柔らかさで、程よい厚みと強度を備えます。馬に比べるとシボ(表面のシワ模様)の目が細かく優しい感じです。着心地も良く上品な風合いが人気。
ダブルライダースジャケット
(The REAL McCOY’S)


一生モノにするなら日頃の手入れが肝 レザージャケットメンテナンス術

(1)着用後のブラッシングがメンテの基本

日頃のお手入れは、外出から戻ったら全体を軽くブラッシングしてほこりを払うだけでOK。普通の洋服ブラシで大丈夫です。

(2)1〜2年に1回、油性クリームでお手入れ

着続けるうちに革から油分が抜け、ゴワゴワに。そのタイミングで皮革用クリームを薄く全体に塗り、一日陰干ししてから柔らかい布で余分な油を拭き取ります。ろうが入った靴用などは避けてください。


結論。共に月日を重ね、味わい深く レザージャケットは一生モノの相棒だ