熊本の旬な情報を発信しているKumarismのメンバーが、大学生ならではの偏った目線でモノコトを熱く語ります!
Reimy

映画と音楽とスイーツをこよなく愛する文学部女子。昭和チックな喫茶店巡りをしていたらいつのまにかプリンのとりこに。最近はもっぱらプリン探しの旅に出かけている。


コロナ禍の今だからこそ伝えたい! ミニシアターの魅力

自粛生活で映画ブーム到来!?

昔から映画が大好きな私。大学生になって人生で初めてミニシアターを訪れてから、映画本来の魅力を際立たせてくれるミニシアターのとりこになりました。

私の周りでも、コロナ禍で自粛生活を余儀なくされ、暇を持て余した結果、サブスクリプションサービスで映画鑑賞にどっぷりハマった大学生が増え、思いがけない映画ブームが到来。これは映画好きにとって、映画の魅力を伝える最大のチャンスでは! 

私が声を大にしておすすめしたいのが、コロナ禍に負けることのない活力があり、映画本来の魅力を際立たせてくれる、ミニシアターです。

ミニシアターとは、独自に選んだ映画を上映する規模の小さい映画館のこと。
シネマコンプレックスの影に隠れがちな上に、近年はサブスクリプションサービスの普及で、ただでさえ映画館に足を運ぶ人が減っている中、さらに新型コロナによる外出自粛要請…。

そんな逆風の状況でも、ミニシアターは、映画好きの根強い支持を受けながら、コロナ禍に負けることのない活力を見せ続けています。

熊本市内唯一のミニシアター、電気館

熊本市中央区新市街のビル、ハンバーガーショップの上にひっそりとたたずんでいるのが、熊本市内唯一のミニシアター、電気館(Denkikan)。

1895年にフランスのリュミエール兄弟によって映写機の原形となる「シネマトグラフ投影機」が公開された8年後の1903(明治36)年、日本初の活動写真常設館である「浅草電気館」が誕生しました。その浅草電気館の隆盛により、全国に電気館という名の劇場が次々と誕生していきます。さかのぼること110年前、1911(明治44)年に窪寺喜之助氏が熊本で初めて創設したのが、「電気館」でした。今では市内唯一のミニシアターとなっていますが、その当時は新市街周辺に多くの活動写真常設館が立ち並んでおり、市民の娯楽の中心となっていたそうです。

現在の電気館は、移転・改築を経て3代目。実は長~い歴史を持ったミニシアターなのです。

上映作品のポスターが貼られた掲示板。前を通る時の作品チェックは欠かせません

隠れた名作たちとの出会い

ミニシアター最大の魅力は、やはりシネマコンプレックスでは上映されないマイナー作品の数々。ミニシアターでは、配給会社の年間ラインアップの中から独自に作品を選んで版権を買うので、シネマコンプレックスでは上映されないマイナー作品も上映されるのです。

電気館では、代表の窪寺洋一さんが実際に作品を見て上映作品を選ぶことが多いそう。そのジャンルは、アクションやホラー、ラブロマンスなど多岐にわたりますが、電気館では、特にドキュメンタリーやヒューマンドラマが多め。メッセージ性が強い映画、見る人に響く映画を届けたいそうです。

私もつい先日、電気館で一本の映画を見てきました。

まず、上映作品のポスターが貼られた掲示板をチェック。気になったのは、監督ビル・ホルダーマンの「また、あなたとブッククラブで」(2018)。
見る作品が決まったので、エレベーターで2階に上がり、チケットを購入。横のカフェでカフェオレを注文し、ほくほくしながら劇場内へ入りました。おまけについてきたチョコレートを口の中でゆっくり溶かしながら、カップに貼られた「週刊珈琲小話」を読んで上映開始を待ちます。朝早い時間でしたが、上映開始時間が近づくにつれ、常連と思われるお客さんが何人か入場。

なんだか映画評論家になったような気分で映画を鑑賞しました。この映画はラブコメディーでしたが、やはりシネコンではなかなか味わえない個性的で面白い作品でした。上映後、いい作品と出合えたな〜と軽い足取りで劇場を後にしました。電気館には何度か訪れていますが、毎回、また来よう…としみじみ思えるような作品と出合えます。

2階のカフェ珈琲しもやまで買ったドリンクのカップには、手書きの「週刊珈琲小話」がついてきます

2階のカフェ「珈琲しもやま」。店内に入った瞬間コーヒーの香ばしい香りが

こだわり

ミニシアターのもう一つの魅力。それは、ミニシアターという場所、そしてそこに集まる人々の雰囲気です。

こぢんまりとした静かで落ち着いた雰囲気の中で、時間がゆっくりと流れていきます。喧騒(けんそう)を気にすることなく、じっくり作品を味わうことができるのです。選び抜かれたマイナー作品が上映されるだけあって、そこで働く人もそこに映画を見に来る人もかなりの映画好き。先ほども述べたように、まるで映画評論家になったような気持ちで作品を見ることができます。

観客の皆さんも従業員の皆さんも、それぞれ個性的な方が多いそう。それもそのはず、ミニシアターという場所そのものが、映画好きにはたまらないこだわりが詰まっている場所なのです。電気館では、2階のカフェ「珈琲しもやま」のコーヒーを持ち込んで映画を見ることができます。このコーヒー、マスターご自身が焙煎した豆を使ったり、そのときの上映作品に合わせて豆を選んだりと、コーヒー好きにはたまらないこだわりよう。

また、電気館では、その時の上映作品に合わせてさまざまな企画を行っているのだとか。窪寺さんの「映画を通した何かを感じてほしい」という願いから、上映作品に合わせ、音楽や食、ファッション、アートといった、さまざまなテーマの現代アート展や写真展を開いています。最近では、日本各地のミニシアターで映画を同時配信するイベントなど、コロナ禍の中でも工夫を凝らした企画を行っているそうです。

ミニシアターだからこそ輝く映画の魅力

窪寺さんは、ミニシアターの魅力を「知らなかったものを知れること」と言います。

ミニシアターには邦画・洋画問わず、世界中のさまざまなジャンルの映画が集まります。それはつまり、世界を映し出した作品に出合えるということ。国を知る、その国の歴史を知る、その国の文化を知る、その国の政治を知る、世界の流れを知る。幅広く映画を見ることは、人間としての幅を広げることにつながっていく。それがミニシアター、そして映画そのものの魅力-だと。

続けて窪寺さんは次のように語ります。「ミニシアターで見る映画はきっと私たちにとって必要なもの」

私は、人生において必要なものを伝えていくのが、ミニシアターの、そして映画そのものの魅力であり、役割だと思うのです。

実際に劇場に足を運んで映画を見ることの良さはたくさんあります。コロナ禍の中でも多くのお客さんを魅了するミニシアター。一度訪れれば、きっとその魅力に気づけますよ。