熊本の旬な情報を発信しているKumarismのメンバーが、大学生ならではの偏った目線でモノコトを熱く語ります!
Mana

まとめ買いした漫画の置き場に困っている文学部女子。買ったことに満足して、いまだに読んでいない本がたくさんある。


まったり朗読ライフ

「最近、声が出ない」。コロナ禍で人と会話する機会が減ってからたびたび感じることでした。
一人で黙って生活していると気分も落ち込みストレスがたまるもの。そんな今だからこそ、趣味の朗読に改めて熱中しています。


朗読との出会い

私はもともと、人前で話すと緊張で声が震えるほどのあがり症でした。
そんな自分にコンプレックスを持っていた時、学校で放送部の方が堂々と朗読をしている姿に憧れ、高校時代は放送部に入部しました。
初めはやはり緊張してしまいましたが、好きな物語のシーンを自分なりに表現できる楽しさが徐々に勝っていき、気付けば朗読は自分にとって大切な趣味になっていました。

高校時代に放送部で行った朗読劇

高校時代に放送部で行った朗読劇

コロナ禍を通して改めて気づいた朗読の魅力

人と会話することが減ってしまったこのコロナ禍において、朗読の魅力を再発見しました。
たとえ自分一人で過ごしていても、ぶつぶつと物語を朗読して自分の声を聴くことで気分が晴れ、元気が出るのです。
文章を声に出して読むためにはしっかり呼吸することや、表情筋も動かすことが必要です。スポーツに比べればとてもささいな運動かもしれませんが、おうちで気軽にストレス発散ができます。

そして朗読は「人に伝わる話し方」を楽しみながら練習できるものだと感じています。
自分の声を録音して聴いてみると、想定していたものと全く違う、といったことがあります。私もこれまで朗読をしてきて、自分は明るく話しているつもりでも、実際は暗く感じられたり、早口で聞き取りづらかったりと自分の話し方の癖にたくさん気付かされました。
堅苦しくない話し方の練習方法として朗読はおすすめです。

録音用マイク。スタジオのような特別感がある

録音用マイク。スタジオのような特別感がある

大学でも放送部へ

私は大学でも放送部に所属しています。
放送部では現在、Zoomを利用して、週に1度、おのおのが好きな本から文章を抽出し、互いの朗読を聴き合うオンライン練習会を開いています。
部長の「コロナ禍で後輩たちにイベントの司会などを経験させてあげられないことは残念だが、今できることを精一杯楽しんで活動してほしい」という思いをきっかけに始まった活動です。
このオンライン練習会を通じて「場面がよく伝わってきた」など、感想をもらうととてもうれしくやりがいを感じています。

朗読を通して自分と向き合う

これまで高校、大学と放送部に所属し朗読を続けてきましたが、登場人物の心情や雰囲気をとらえ、それが人に伝わるように表現することにはいつも難しさを感じています。
表現には正解があるわけではありません。だからこそ自分がこれまで体験してきたことやその時々に生じた感情を思い返し、表現の引き出しを増やしておくことで、聞き手の心をより動かせるような朗読を追求しています。

こうした自分とじっくり向き合う時間は心を落ち着かせてくれる大切なひとときです。


朗読の準備

朗読は本さえあればすぐに始められますが、事前にウオーミングアップとして発声練習をしておくと、声がしっかり出て表現の幅が広がります。

以下に発声練習の一部をご紹介します。

ロングブレス

息を勢いよく鼻から吸った後、一度息を止めて口から吐き出します(歯と歯の隙間からスーッと吐き出すイメージ)。
これが30秒ほど続くようにします。

ロングトーン

息を勢いよく鼻から吸った後、一度息を止めてから「アー」と発声し続けます。これも30秒ほど続くようにします。

連続発声

ロングトーンと同じ要領で、今度は音を短く「ア・ア・ア」と息を切りながら発声し続けます。

五十音

ア行から「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ・オ・ア・オ・エ・ウ・イ・エ・ア」と、順に一音一音しっかりと発声する。

五十音表とボイスレコーダー

五十音表とボイスレコーダー

レロレロ

「レロレロレロレロ…」と繰り返し続けて発声する。「レ」と「ロ」のそれぞれで唇の動かし方が違うことを意識しながら発声する。

家の中であまり大きな声が出せないという場合は、ロングブレスのみでも腹筋を意識して繰り返し練習すると効果があると思います。


朗読する作品を探す

私が最近よく朗読しているのは不気味な物語。
やはり怖い話は盛り上がるもの。友人たちからも好評で、朗読する側としても読みがいがあります。

特に熊本にゆかりのある文豪、夏目漱石の「夢十夜」や小泉八雲の「怪談」にはまっています。

「夢十夜」は高校時代、コンテストの課題本として初めて読んだ作品でした。第一夜を読んだ時の衝撃が忘れられず、熊本へ引っ越す時に実家から一緒に持ってきて、今でもたまに読み返しています。ただ「怖い」「不気味」というのではなく、幻想的で不思議な雰囲気が漂っていて、個人的には読むたびに違った表現をしてみたくなる作品です。

そして「怪談」は大学の講義で扱われたことをきっかけに読んだ作品でした。特に、収録されている「耳なし芳一」や「雪女」は今でも有名なお話でしょう。中には難しい言葉も多く出てきますが、内容自体は昔からなじみのあるものもあり、懐かしいような印象を受けます。人に朗読を聞いてもらうときはやはり話の内容を共有できている方が話も盛り上がるのでおすすめです。

どちらの作品も現代ではあまり聞き慣れない言葉や言い回しが出てくるのでとても新鮮に感じながら朗読しています。
短編集は起承転結がはっきりしているものが多く、文章の抽出がしやすいので、初めての朗読にぴったり。
その中でも例えば宮沢賢治の「注文の多い料理店」は「ざわざわ」や「がたがた」など、さまざまな擬音語が出てくるので、表現に工夫しがいがあり楽しめます。


本丸々一冊を朗読するのは疲れますし、時間も確保するのが難しいと思います。
まずは気軽に本を開いてみて、自分の好きな場面や印象に残っている場面から朗読してみるといいのではないでしょうか。

ちなみに文庫本だとおよそ12行を目安に読むと2分ほどの朗読になり、集中力も続きやすく内容にもまとまりが出てくるかと思います。

ぜひ皆さんも好きな作品を手に朗読を始めてみてはいかがでしょうか。