熊本の旬な情報を発信しているKumarismと、熊本大学新聞社(大学公認サークル)が、大学生ならではの偏った目線でモノコトを熱く語ります!
yuri(Kumarism)

豆からひいて丁寧にいれる母の珈琲を元気の源とする女子大生。自分でおいしい珈琲をいれるために現在修業中。


珈琲(コーヒー)の時間を豊かにしてくれるカップ

豆から挽(ひ)き丁寧に珈琲を淹(い)れる母のおかげで、幼いころから珈琲の香りに包まれて育ちました。私が珈琲を飲めるようになったのは中学生の頃。家族みんなが食後の珈琲を楽しんでいるのに自分だけ飲めないのが寂しくて、「やっぱり苦い…」と思いながらも少し背伸びをして飲むようになったのがきっかけ。今ではすっかり珈琲好きに成長しました。

そんな私が、引きつけられているのがコーヒーカップの魅力。コーヒーカップはただの器だと思っているそこのあなた! もったいないです!
今回は、紙面には書ききれなかったコーヒーカップの世界についてたっぷりと語らせていただきます。

そもそも、コーヒーカップの世界に魅了されたきっかけは、熊本市内にある2つの珈琲店でした。紙面に加えて、2つの珈琲店のコレクションの中から、私の気になるコーヒーカップをご紹介します。


1店目は、北区にある「さくらリビング龍田」。

店内には80客のコーヒーカップがずらりと並べられており、実際に手に取ってコーヒーカップを選ぶことができ、訪れるたびに違った楽しみがあります。

「百貨店などで見かけたときに『あんなカップで珈琲を飲みたいな』と思うけれど、自分では高くてなかなか手が出ないようなカップや、今は売られておらず他では手に入りにくいような古いカップなどをそろえているので、ここにきて楽しんでもらえれば」とカフェマネージャーである上﨑裕一郎さんが笑顔で話してくださいました。

イギリス アンティークカップ

こちらは1912年製のアンティークカップで、100年以上の歴史を感じることのできるロマンのある一客。

イギリスを代表する高級食器店「T.Goode」の特注品です。「T.Goode」はヴィクトリア王朝から続く英国王室御用達の名門。優美な器体に金彩装飾、ハンドエナメルによる艶やかなヴィクトリアンフラワーが描かれた美しいカップです。

繊細なタッチで描かれた金色の装飾が演出する上品さと、メインで描かれている花々による華やかさ。2つの美しさを併せ持ったデザインに思わず目を奪われます。カップの内側に描かれた花々は、珈琲を飲み進めると徐々にその姿を現します。使用していた感じがなく、鑑賞用として飾られていたと思われます。

イギリス ミントン 「ローゼンブルグ」

「ローゼンブルグ」はデンマークにある宮殿の庭園やバンケットルームのタペストリーがデザインのモチーフになったミントンの製品です。害虫を食べるてんとう虫は、古くからヨーロッパで幸せを運ぶ虫として愛されてきました。白・黒・金のシンプルな色合いが凛とした印象を与え、男女問わず楽しめる大人な一客。カップとソーサーの両方に潜む金色のてんとう虫が、あなたにもきっと幸せを運んでくれるはず。

大きな窓から降り注ぐ木漏れ日が落ち着いた雰囲気の店内を温かく照らしてくれます。窓から見える大きな木の正体は桜。春になると庭先に咲き誇る桜を眺めながら珈琲を楽しむことができます。「さくらリビング」というお店の名前にも納得ですね。


2店目は、東区にある「Ellery珈琲店」。

珈琲を淹れる店主の安部翔平さん。

その後ろには、100客以上ものコーヒーカップが壁一面に並んでいます。さくらリビングさんと同じように、今は作られていないものや高価なものなど、なかなか手に入りにくく普段使いできないようなカップを集めているそう。また、季節ごとに期間限定で出すカップもあるので、いつ来ても違った顔ぶれのカップたちが出迎えてくれます。

イギリス スポード 「ランカスター」

紺の落ち着いた色味と、細かな金彩が調和する美しい一客。

店主である安部さんが、福岡にある珈琲店で一目ぼれ。来る日も来る日もオークションをチェックし続け、ようやく手に入れたそう。落ち着いた色遣いにもかかわらず、その光沢と金彩の美しさゆえに圧倒的な存在感を放ちます。

デンマーク ロイヤルコペンハーゲン 「フルレース」

小ぶりなカップと六角形のソーサーという個性的なデザインが目を引き、青と白のコントラストが美しい一客。

「フルレース」という名の通り、手書きで一客ずつ描かれた繊細なレースの縁取りに引きつけられます。ハンドル取っ手に顔がついているのが最大の特徴。どのような顔をしているのかは、手に取ってからのお楽しみ。

イギリス ウェッジウッド 「ハーレクイン」

道化師(ピエロ)をモチーフとしてデザインされており、フランス語で道化師を意味する「アルルカン(Arlequin)」の英語読みである「ハーレクイン(Harlequin)」という名がついています。現在は廃盤となっており、流通量も少なく出会うことが難しいそうです。

色とりどりのひし形がピエロの服を連想させる一客。キラキラと輝く道化師があなたのひとときを楽しませてくれるでしょう。

つい長居したくなってしまう落ち着いた雰囲気の店内。

時間がたっても雑味や渋みが出ないように工夫され、冷めてもおいしいため、会話や読書をしながら珈琲をいただき、ゆったりとした時間を楽しむことができます。

カップとの距離感を考え、テーブルや椅子の高さにまでこだわっているのは、「Ellery珈琲店」ならではの心遣い。

珈琲を楽しむひとときを、より豊かで特別なものにしてくれるコーヒーカップ。その魅力が少しでも伝わったでしょうか?ぜひ一度、自分のお気に入りの一客でいただく最高の一杯を味わってみてください。