ある日の婚活イベント。30代後半、長身でちょっとオラオラ系の荒っぽそうな男性がいました。初参加で緊張気味の彼に、“エアーウイスキー”をやってもらいます。「ウイスキー」と言うと、口角が上がって自然に笑顔が作れる、初心者向け必殺技です。素直に従ってくれて、硬い表情もほぐれてきました。もちろん、声に出さず「ウイスキー」ですよ。

いざ、女性の前に出陣！　“お見合い回転寿司”という、1対1の自己紹介も順調だった模様。これはいけるか!? と思ったその時でした。フリータイムで立ち上がり、女性をスイーツの方へエスコートしようとした彼の身のこなしがちょっと…。キビキビとしているのは良いのですが、早送りの重機よろしく「ウイン、ガチャ、ウィン」と機械音が聞こえてきそうな荒々しさに、お相手は少し怖がっている様子。急いで近づき「もっと優しく！ソフトに！」と伝えても、ピンとこない様子の彼。「えーっと、あれ。高級マンションの引き出し分かる？ 閉める時、強く押してもじわーっと閉まっていくでしょう？ あの感じ。ふわっ！スーッ！」ジェスチャーを交えて説明すると、「あーっ！分かります！あの感じですね」と重機君。思い返してみると、よくあれで伝わったなーと思います（笑）。

何というか、「笑顔」だけじゃない、まだまだかわいい参加者たちに教えることは山ほどある。そうしみじみ感じたのでした。