ブラウン管の中のアメリカ。
私と同じ50歳前後の皆さんは、欧米人のライフスタイルに憧れた時期があったのではないでしょうか?
私が一番多感だった年頃に、それはプロモーションビデオ(PV)というカタチで、目の前に現れました。
もともとは、レコード販売促進のために、レコード屋の店頭で映像と共に、曲を聴いてもらうという趣旨で制作されていたものですが、80年代は殆どのアーティストが自分を表す、もしくはその曲を表現する一つの手段として、こぞってPVを制作し始めました。
単に自身が歌っているところを映像に収めたアーティストもいれば、マイケルジャクソンの「スリラー」に代表されるような、ちょっとした短編映画のように莫大な制作費をかけて作られたものまで、音楽を目で楽しむ時代の創生期でした。

そんなPVを凝縮して作られたような海外ドラマ「特捜刑事マイアミバイス」。
タイトルからも分かるように刑事ドラマで、フロリダ半島の最大都市マイアミが舞台。
暴力犯罪組織に潜入し、敢然と立ち向かう命知らずの特捜刑事たち(一部ドラマ冒頭ナレーションから引用)の物語でした。
犯罪組織のボス顔負けのフェラーリやキャデラックを乗り回し、クルーザーでペットのワニと生活を共にしている主人公ソニークロケットと、その相棒のリカルド・タブス。
彼らの映像のBGMには当時の洋楽がたくさん使われており、犯罪モノのドラマであったにもかかわらず、憧れのカッコイイ大人の世界がありました。
“勧善懲悪捕り物帖”とは異なり、主人公たちの結婚、離婚、恋愛、別離、そして死などもサブストーリーとして丁寧に描かれていて物語としても秀逸でした。

いま私の手元にはそのサントラ盤がありますが、クレジットをみてみるとそれはもう豪華な布陣。
ジャクソン・ブラウン、ロキシーミュージック、フィル・コリンズ、グラディスナイト、ヒューイルイス&ザ・ニュース。
珠玉の名曲たちがドラマを一層引き立てていました。
もし「この中から一曲選ばないと罰を与えられる」などと無茶なことを言われたら、甘んじて罰を受け入れることになるんでしょうけど(笑)。
でも、「敢えて」ということであればこの曲。
残念ながら昨年他界してしまった元イーグルスのグレンフライの「You belong to the city」。
この曲は他の80’sと共に常に私のスマホの中にあって、呑み会の帰りには必ずと言っていいほどイヤホンで聴きながら帰途に就きます。
マイアミバイスのソニークロケットとはイメージがずいぶん違いますけどね。

(動画はこちらからご覧いただけます)
https://vimeo.com/152382583


テキスト/クーガー

昨年から80年代の洋楽魂が再沸し、シングル盤を中心にコレクションし始める。 最近は国内マーケットでは飽き足らず、海外にネット注文にまで手を染め始めたポンコツなアラフィフ。