「DREAMS COME TRUE – CONCERT TOUR 2017/2018 THE DREAM QUEST」初日」

結婚すると生活のいろんなことが変わる。
独身の頃に比べて食べるものが健康的になったし、掃除や洗濯の頻度も上がった。
それまで1人で聴いていた音楽を2人で聴くようになった。
それまで決して聞くことのなかった音楽を聴くようになった。

70年代末から80年代前半にかけてのニューヨークやベルリンのノイズ/アヴァンギャルド系のロックが一番好き、という僕にとってドリカムは別世界の音楽だった。
僕の方が月にいて、向こうが地球というような。
一生、聴くことはないだろうと思っていた。
ドリカムという名前で思い出すのは、高校1年生の時、クラスで最初につき合い出したカップルが「Wonder 3」を貸し合っていたこととか、当時の宮川大助・花子のネタで、NHK の演芸番組で見たのだと思うんだけど。
「近頃人気なのにドリカムってのが、おってですね」
「ああ、知ってますわ。ドリンセス・カムンセスやね」とか。
1人の女性を2人の男性が取り合う構図で、歌うのは「うれしはずかし朝帰り」。
21世紀に入ってもずっとそのイメージのままだった。

そんな僕も結婚して3年。
新作「The Dream Quest」のツアー初日の、さいたまスーパーアリーナを観終わって、「今まで見てきた中では今日のが一番よかったなぁ!」などと思うようになった。

「決戦は金曜日」から「JET」へ。
往年の名曲から始まって、新作のツアーということでアルバムの曲をやるわけですが、あっと驚く試みが発表される。
口をあんぐり開けつつ、「おまえら Pink Floyd か!?」と心の中で笑いが止まらない。

クリスマスイヴに熊本にも来るのでそれ以上のことは言えないんですけど、でもこれは優れた楽曲に練り上げられたアレンジがあって、鉄壁の演奏があるからできること。
ステージセット、ダンスパフォーマンス、照明 etc
それら全てをひっくるめた演出のアイデアの巧みさがあって成り立つこと。

照明が落とされ、真っ暗になったアリーナに期待に満ちた無数のスティックライトが揺れ動く。
集まった2万人が同じサビを合唱する。
それを「いい」と思った僕は大人になったのか、普通の人になったのか。
10代、20代の頃は薄暗いライヴハウスに通って、映画は必ず渋谷の単館上映で。
今の僕はその頃の僕を裏切っているのか。
さほど複雑な気持ちにはならない。
ただただ、いいものはいいというだけ。
ドームツアーを成功させるミュージシャンは日本でも数えるぐらい。
ビジネスとしてもかなり巨大なプロジェクトとなる。
その最先端が今、何を実現しているのか。
それは見ておいた方がいい。

吉田美和さんはいろんな音楽に詳しく、幅広く、深く聴いていると妻は言う。
僕のCDラックも妻が持ってきた70年代、80年代のソウルのCDが増えた。
「Who Is This Bitch, Anyway?」で知られるソウル・シンガー、マリーナ・ショウBillboard Live Tokyoにも観に行った。

結婚すると人生のいろんなことが変わる。
その妻と2人並んで、2万人のうちの1人、いや、2人となってドリカムを観る。
終わって、アリーナを出て歩いていると周りの皆が興奮して、笑顔で「楽しかった」「すごかった」と。
たくさんの人を例え一時であっても幸せにできる音楽は、やはり偉大なのだ。

ちなみに僕は中村正人さんの「漫談MC」がとても好き。この日は初日だったせいか、とても固かったです。


テキスト/おかむー

青森生まれのアラフォー男子。ひょんな縁から熊本生まれの妻と結婚し、いまや体の半分は熊本人。幼少時から読書と音楽が命の源で、家には膨大な量の本とCDを所有。妻の断捨離攻撃に震えながら暮らしています。