「その10:覆面 智」

名物というものは二種類存在する。
1.美味しいとか素晴らしいとか、わざわざ遠くから旅して来てでも味わいたいもの。
2.いわゆるキワモノ。そこにしかありえない独特なもの。

神保町にもいろんな名物がありますが、今回紹介する「覆麺 智」は、まさに後者。
名前からしてそうですね。
オープンしたばかりの2008年は、メキシコのプロレスラーがかぶるような覆面をして、一切何も言わず。
たまに口を開いても出てくる言葉は「アンガ~ラ!」のみ。
何語なんでしょうね。
ルチャリブレ用語かと思いましたが、調べてみたところ違いました。
そんで休憩時間は店の裏に丸椅子を出して、マスクをした中年男が一人座って煙草をプカ~っと。
汗をかいたTシャツの太った背中にはなんとも言えない哀愁が漂っていました。
今は覆面を脱いで、店名も「覆麺」から「覆麺 智」に改名。
頑固おやじが日本語でしゃべっていて、看板というか表の照明代わりにマスクが飾られています。

そんなわけで、今も昔も客というか(男性)ファンの集まりのような店。
週末は初めての人も入れますが、平日は基本会員制。
お客はメンバーカードを出して特典の無料トッピングをもらって、カウンター越しに「今日のスープは」とか「今度のイベントが」などと話しています。

そう、ここはイベントものが多く、限定スープのラーメンを出したり、ハロウィンの10月には「覆面の2人が店に登場する」と手書きの告知が壁に貼ってありました。
僕は行ったことないですが、他にも「デスマッチ」とかあって、このときは「猪木ボンバイエ」がかかってるみたいです。

曜日によっては限定メニュー、しかもその食材が季節ごとに変わります。
甘えび出汁や渡り蟹の出汁…、冬になるといつもだと牡蠣かな。
昔の tweet を探してみたら「雉出汁」や「ゆりかご浅利と阿波尾鳥出汁」なんてのもありました。
2010年には、遂に覆面を脱ぐというビッグイベントがあって、そのときはなんと海亀のスープ。
伝説として今も神保町界隈で語り継がれています。

限定じゃないときは醤油ラーメンなんですが、割としょっぱいので要注意。
飲み干すとメンバーカードにシールが増えて次の段に挑戦可能。
五段より上は相当なもののようで、富山ブラックどころじゃないとのこと。

書いていて何の店か自分でもよくわからなくなってきましたが…、ほんと神保町のディープな側面を体現するような店。
知る人ぞ知る、まさに名物。

スープやトッピングの内容、麺の量、会員制の仕組みが時々変わるので、訪問の際は店の twitterや食べログなどから事前の情報収集をおススメします。
この店を一言で表すならば、「やりたい放題」ですね。

混具合:★★★★☆
知名度:★★★☆☆
大盛り:★★★★☆
コスパ:★★☆☆☆

店舗情報

覆面 智

住所
東京都千代田区神田神保町2-2-12
営業時間
11:00~20:00(月・火・木・金) 11:00~17:00(水・土・日)
休業日
不定休

テキスト/おかむー

青森生まれのアラフォー男子。ひょんな縁から熊本生まれの妻と結婚し、いまや体の半分は熊本人。幼少時から読書と音楽が命の源で、家には膨大な量の本とCDを所有。妻の断捨離攻撃に震えながら暮らしています。