「The Yellow Monkey Super Big Egg 2017」

12月10日(日)、東京ドームに再結成後の「The Yellow Monkey」を見に行った。

ステージからアリーナ席に向かって左右2本の花道が卵型を描き、その端では恐竜の卵のような巨大な風船が設置され、紫に妖しく光っている。
スクリーンにはロケットの打ち上げみたいにカウントダウン。
期待が高まる。
残り10秒になって観客席全体で9、8、7…、3・2・1・0!!
風船が割れると、そこには楽器を抱えた4人が。
1曲目からアリーナ真ん中の小ステージで演奏。
インディーズ時代の「WELCOME TO MY DOGHOUSE」、続けて、解散前に発表されたシングルのひとつ、「パール」を。
2曲終えたところで凱旋パレードのように花道を闊歩して、4人はステージへ。
再結成後の新曲「ロザーナ」、ブレイク直前の頃のシングル「嘆くなり我が夜のFANTASY」…
その後も「SPARK」「真珠色の革命時代 (Pearl Light Of Revolution)」「LOVE LOVE SHOW」「プライマル。」「バラ色の日々」とヒット曲を次々と繰り出し、アンコールを「BURN」や「悲しきASIAN BOY」で締める。

演奏には、女性シンガーだけではなくストリングスやホーン隊も加わり、何十人もの外国人モデルが花道を練り歩き、ミラービールが回転し、 巨大な風船がハイヒールを履いた女性の足の形に広がり、紙吹雪がアリーナ中を舞い…、一曲ごとの演出もゴージャスだった。
なのに、それが嫌味なく、演奏も負けていない。
盤石だった。
横綱相撲とでもいうか。
今の日本で No.1 のバンドはまず間違いなくイエモンなんだなと実感した。
ギンギンにみなぎっている。

ロックと歌謡曲をどんな配分でぶつけるか。
その黄金比を見つけたバンドが圧倒的な大衆性を獲得する。
つまり、売れる。
古くは BOOWY にレベッカ、サザン。
その後スピッツやミスチル。
今、その最新型を手に入れたのは遅咲きのイエモン。
一度解散して足元を見つめ直したのもよかったのかもしれない。
いい意味で大人になった。
ジムで体も鍛えてるんだろうな。

このドームツアーが終わってからは新しいアルバムのレコーディングに入ると吉井和哉は宣言した。
アンコールの前に、新曲「Horizon」のビデオクリップが流れた。
ごく普通のポップソング。
なのにスケールがこれまでとは1桁も2桁も違う。
包み込むように、大きい。
この世界に向かって開かれている。
世に出始めた頃のイエモンは、遅れてきたケバケバしい歌謡グラムロックというか、とにもかくにも異形のものであろうとした。
そこで差別化を図ろうとした。
マーケティングがよかったのか、本人たちの努力によるものか、それが少しずつ認知されるようになり、アルバムを出すたびに話題となった。
サザンしかり、ミスチルしかり、独自のスタイルを極めると、それは次第に普遍性を獲得する。
王道となる。

イエモンもまた、そこにいて何気なく演奏するだけで圧倒的な存在感を放つようになった。
これから先、どこまで行けるかな。
僕らもまたその先を見たいと思う。
彼らはきっと、連れて行ってくれる。

唯一スクリーンに歌詞が映し出された「JAM」でハラハラと涙がこぼれた。
僕らは、そう、こんな不安だらけの時代に、それでも明日を待っている。
イエモンは全身全霊の声と演奏でそのことを伝えてくれた。 


テキスト/おかむー

青森生まれのアラフォー男子。ひょんな縁から熊本生まれの妻と結婚し、いまや体の半分は熊本人。幼少時から読書と音楽が命の源で、家には膨大な量の本とCDを所有。妻の断捨離攻撃に震えながら暮らしています。