こんにちは、熊大新聞社です。
はい、ムラファト再びです。「またあんたか」などとおっしゃらず、しばしお付き合いください。
さて、去る8月の某日、熊大新聞社内で男4人の人吉旅行を決行しました。ややぐずつきがちな空模様でしたが、人吉市内の名所を一通りめぐることができました。お土産はもちろん繊月酒造の焼酎です。
その旅の中で今回紹介したいのは、市街地南の丘にそびえる人吉城です。この城は中世に築かれたもので、代々人吉の領主相良氏の居城として整備されて今の姿に到ります。西南戦争の際には、薩軍と官軍の決戦の地の一つとなりました。
構造は、背後の平坦な丘、中央の本丸、水の手、そして屋敷部という、中世の山城のスタイルを色濃く残すタイプです。城内を回るとそれぞれの場所で違った表情を見ることができる、城マニアにとってはたまらない城と言えるでしょう。
球磨川に面して建つこの城からは、人吉市内を見渡すことができます。おすすめは二の丸の展望台。帯のようにうねる山並みと人吉市街を一望できるこの場所は、記念撮影にもってこいです。
かつて御殿があった部分には、神社と資料館が建てられています。とくに資料館では、全国的にも珍しい、地下室式の井戸遺構を解説付きで見ることができます。この井戸にまつわる話を聞くと、歴史好きでない人もゾクゾクすること間違いありません。
人吉城 本丸・二の丸(写真は1年前に撮影)
人吉城からの眺望(写真は1年前に撮影)
最後に、個人的に言いたいことがあります。人吉城を見学中、部員の一人がこうつぶやきました。
「人吉城って、もうお城ないんすね」
ム「ん! 建物=城じゃなかよ!」
もちろん彼が言いたかったのは、「建物はもうない」ということだったのでしょう。それも城の大事な要素、一理あります。しかし、しかしですね。
城の面白さは建物だけじゃなぁい!
確かに、人吉城にはフォトジェニックな建物は一つも残っていません。しかし、城は建物だけを見ていても分からないものなのです。皆さん、石垣を見ましょう!
石垣や城の地形を見ると、かつてその城をつくった人々の考えや思いが、ちらちらと見えてきます。「ああ、ここにはよっぽど入ってほしくないんだな」「ここはずいぶん便利なつくりだな」。そういったことを考えながら城を見て回ると、いつもは気が付かないような魅力に出合えるかもしれませんよ。
2020年春に、熊本城の天守閣が公開されます。特設スロープの上から城のあちこちを見下ろすとき、石垣に込められた清正公の思惑や性格が、ちらりと見えるかも。いや、「人は石垣」とは言い得て妙で。
人吉城石垣(当日撮影)
人吉城石垣・武者返し(当日撮影)
ムラファト
城は好きだが武士は嫌いな歴史学科のひと。でもやっぱり焼酎には勝てない。
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