大絵馬は庶民の心を映すアート 紙芝居で魅力を伝えたい

神社の拝殿に奉納されている「大絵馬」。辻さんは、県内外の多数の神社仏閣を訪ね歩き、6000点もの大絵馬について調べています。

県立美術館でボランティア活動を経験した際、優れた日本美術に触れる一方で、「昔の民衆たちはどのようにして美術に触れたのだろう」という疑問が生まれました。「子どもの頃、母と神社にお参りに行った時に、出征を描いた大絵馬を見たことを思い出しました。無事の帰還を願って奉納された絵馬は人々の祈りが込められたアートだと感じました」

大絵馬に描かれるテーマは、五穀豊穣や健康長寿、子孫繁栄などさまざま。絵師などについても調べています。

辻さんのお勧めの大絵馬は、山鹿市にある大宮神社御神宝「三十六歌仙」扁額(宝物殿に実物大写真パネル展示)。江戸前期の画家・土佐光起(とさ・みつおき)が描いたもので「絵と書と和歌、工芸と四拍子そろった素晴らしい芸術品です」。現在、絵馬に関する紙芝居を製作中。「幅広い世代に絵馬の魅力を伝えていきたい」とますます意欲的です。

Time Schedule

4:00 仏壇に朝のお参り
5:00 新聞を読む
6:00 朝食
10:00 たまな創生館(玉名市)で開催された自身の「絵馬行脚」写真展に在廊
12:00 昼食、読書や文献の整理
18:00 夕食
21:00 就寝

辻 春美さん
1932年玉名市生まれ。高校卒業後、農林省(現農林水産省九州農政局)入省。定年後、県立美術館でボランティア活動の傍ら、日本美術史などを学び、県内外800カ所の神社を訪ねる。熊本歴史学研究会、玉名歴史研究会会員。

Information

辻さんの著書『くまもと美と祈りの絵馬行脚』(第41回熊日出版文化賞受賞)は、舒文堂河島書店(中央区上通町)で購入可