両手を失っても守られた命 逃げずにしっかり生きていく

季節の草花に囲まれた『風の丘 阿蘇大野勝彦美術館』は南阿蘇村の大自然の中にあります。館長の大野さんは両手が義手の詩画家。来館者の似顔絵を描く際には、「その人の顔を見て感じた物語(詩)を絵に書き添えています」。大野さんの描く作品は、感謝の気持ちや愛情にあふれる詩が印象的です。

2003年の開設以来、全国から40万人以上の来館者が訪れた美術館は、熊本地震で被災。敷地内の丘は幅150メートル以上にわたって崩落し、館内の展示物も半数以上が落下しました。復旧のめどが立たず途方に暮れる中、来館者からたくさんの電話や手紙が届き、その中には「何かあると美術館に行き、一人で泣かせてもらっていました。そういう空間だから、ぜひ再開してほしい」との声も。そこまで思ってもらっていることを知った大野さんは復旧を強く決意。今年4月に再開を果たしました。

事故による両腕切断、そして震災にも遭遇。「それでも必要とされたから、命は守られた。ならば必要とされる仕事でお返しせにゃならん。逃げずにしっかり生きていかなんて思います」

Time Schedule

6:30 起床
7:30 美術館に到着。散歩、花の手入れ
10:00 開館。来館者応対や作品制作
16:00 閉館後、施設に入所する母を訪問
19:00 帰宅、夕食など
24:00 就寝

大野 勝彦さん

大野 勝彦さん
1944年、菊陽町生まれ。高校卒業後、家業のハウス園芸業を営む。45歳の時に農作業中の事故で両腕を切断するが、入院3日目から筆を腕にくくりつけて字を書き始め、「生」への思いを詩に託す。執筆、講演活動などを行う。

Information

詩画集2冊が入った「風の丘物語」を2月に出版。

お問い合わせ

風の丘 阿蘇 大野勝彦美術館

TEL
0967-65-5111