バイオリンで人生に良き思い出を 目指す音に近づくため、探求の日々

バイオリンとの出合いは、「自分の器を測る挑戦」とヨーロッパ7カ国を自転車で旅した20歳の時でした。スイス・レマン湖畔で大道芸人が奏でるバイオリンの音色に感動し、帰国後、熊本市内の弦楽器職人に弟子入り。大学卒業後、就職したものの、楽器作りの時間が限られることに悩み、退職しました。「バイオリンの名器ストラディバリウスを製作したストラディバリは生涯で1200本を生み出したけれど、自分の人生では何本作れるか」と、37歳でバイオリンの聖地とされるイタリア北部のクレモナに留学。

現在、嘉島町にある築100年の実家の納屋を自ら再生した工房で、弦楽器の製作、修理を行っています。口コミで全国から依頼が寄せられ、「なんと魅力のある仕事かと思っています」としながらも「目標とする音に近づくために、命を削る思いで楽器に向き合う毎日です」

熊本地震で傷ついた工房がようやく復旧し、11月から演奏会場としても活用予定。「この辺りは被害が激しく、自分も死を覚悟しました。生かされた今、自分のすべきことは、出会った人の人生の良き思い出の1ページを作ることです」

Time Schedule

7:00 起床、朝食
8:00 工房で作業
13:00 昼食
14:00 工房で作業
19:00 夕食
20:00 工房で作業
翌3:00 帰宅
4:00 就寝

北澤 孝治さん

北澤 孝治さん
1963年、嘉島町生まれ。熊本商科大学(現熊本学園大学)卒業後、上益城農業共済組合に就職。2000年からイタリアに留学し、クレモナ国際バイオリン製作学校や現地の工房で腕を磨く。07年、嘉島町に工房を開く。妻、子ども2人と嘉島町で暮らす。

Information

これから弦楽器職人の後継者育成もしていきたいと考えています。