読んでいない本について堂々と語る方法

作:ピエール・バイヤール

書店員である私が、本書を紹介するのは、いささか、ちゅうちょするところもあるが、それとは比較にならないほど、著者もためらったに違いない。大学で文学を教える立場でありながら、この本を執筆したのだから。

「本を読みなさい」。誰しも一度は聞いたことがある言葉だろう。冒頭では「本を読んでいる人の方が立場が上に感じる」といった読書にまつわる不文律に言及する。そして、本題の「読んでいない本」の話へと続く。

面接や何げない会話の中など、「読んだふり」をしないといけない場面はいきなり訪れる。また、「読んでいない本」にも「全く読んでいない本」や「人から聞いたことのある本」などいろいろある。その時折の、切り抜け方が、古今東西の名作の読書にまつわるシーンを例に紹介してあるのだ。この本で名作を例に挙げるとは何とも皮肉めいているが、そこは著者のユーモアであろう。

この考察の結論を、ぜひ確かめてもらいたい。本を読まない方でも楽しめること請け合いだ。

定価 1045円 筑摩書房 文庫版

紹介するのは

蔦屋書店熊本三年坂
小川 尚太朗さん

書店歴2年目の新書・教育書・医療書担当。休日はもっぱら一人ドライブ