オルタネート

著:加藤シゲアキ

「青春とは年齢ではなく気持ちによって決まる心の若さ」。さすがにそれは無理があるでしょ、と突っ込まれそうなアラフィフの僕だが、本作を読んで、サリンジャーやキングの小説を読みあさっていた高校の夏休みを思い出した。親子ほど年の離れた登場人物の高校生たちに、ビュンビュン感情移入してしまう。

“オルタネート”なる架空の高校生限定マッチングアプリによってつながる世界。バーチャルがリアルに先んじる感覚はアラフィフにはよく分からない。でも物語の中の若者の青春模様は僕らの時代と全く変わらない。勉強し、部活に励み、恋をし、愛を求めさまよう日々。生きるって、友情って、家族って何だろうと無意味に悩む。時代が移り、ツールが変わっても青春は普遍。いつになっても校舎を染めるのは赤い夕日なのだ。

「アイドルが書いた小説」と侮るなかれ。僕は高校生の皆さんに自信を持って本作をお薦めできる。この夏必ず読んでほしい。もちろん心の若さを求め、さまよう大人の皆さんにもね。

定価 1815円
四六判変型 新潮社

紹介するのは

金龍堂まるぶん店
荒川 俊介さん

今年の『第8回高校生直木賞』を受賞した本作! さすが高校生! ワカッテルね!