批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く

著:北村紗衣

「ムチャクチャ面白い。一気に読み終えてしまった」。この本を紹介する文章の書き出しとしては失格だろうが、それでも真っ先にそう言いたくなる。

批評の入門書として最良のものだろう。今最も注目されるフェミニスト批評家である著者(前作も当店のロングセラーです)が、ワークショップのように、作品を精読し、分析し、そして実際に書くまでのステップを分かりやすく教えてくれる。

そもそも批評とはなんだろう。本書の言葉を借りると「作品の中から一見したところではよくわからないかもしれない隠れた意味を引き出すこと(解釈)と、その作品の位置づけや質がどういうものなのかを判断すること(価値づけ)」であるという。

もしかすると、批評なんて自分には関係ないと思う人もいるかもしれない。しかし、この批評という道具を身に付ければ、映画や小説、ひいては世界の捉え方がもっと豊かになるだろう。芸術作品に少しでも興味がある人には必ず読んでほしい本だ。

発行 筑摩書房 新書判
価格 902円

紹介するのは

蔦屋書店熊本三年坂
榮 詳平さん

映画と音楽と、楽しい酒のために働く書店員