ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

著:ブレイディみかこ

現在では考えられないが、私が通った中学は男子全員丸刈りが強制だった。それほど嫌ではなかったが、多感なお年頃の抑圧により、いろいろな意味で僕の開花が遅れたのは事実だ。大人の階段を上った時、もうシンデレラはいなかった。

本書は2019年に大ヒットした、イギリス在住の著者が息子を育てながら世の中を考えるエッセーの続編。階級社会や人種差別など、日本とはちょっと違う(けどきっとこの国でも内包しているであろう)現実と向き合いながら毎日を過ごす息子は、本作では13歳の思春期を迎える。彼は何を見て、誰に出会って、どんなふうに成長するのだろう。ページをめくりながらワクワクが止まらない。

「多様性」と「アイデンティティー」。綱渡りのようにフラフラして不安定で、矛盾をはらむこの2語が、大人への階段となる。若者には、上った先に何があるのか、足元をしっかり踏みしめて頑張ってほしい。読了後、そう強く願った。丸刈りだった中学時代の僕にも向けて。

定価 1430円 四六判 新潮社

紹介するのは

金龍堂 まるぶん店
荒川 俊介さん

大ヒットした前作が今年文庫化! お求めやすくなりましたのでぜひご一読ください