悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト パガニーニ伝

浦久俊彦著

パガニーニという西洋中世史に現れた、天才的ヴァイオリニストがいます。自伝、研究書も少数で、残されている楽曲も多くはありません。カプリース第24番や、ヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章(リスト編曲によるピアノ曲 カンパネラでも知られる)が代表的と言えるでしょう。

聴衆を酔わせる技巧は神とも悪魔とも評され、本人も黒ずくめの服で悪魔主義的要素を取り入れた演奏活動をしました。宗教と音楽が密接な関係にあった中世において、その活動はカトリック教会の怒りを買います。没後は教会に埋葬拒否され、遺体は各地を転々。幽霊騒動まで巻き起こします。

また、著作権が無い当時、彼がいかにして作品を守り通したか。なぜ、現存する曲数が少ないのか。いかにして、巨額の富を築いたのか等、起業家としての一面も取り上げています。

中世文化史の一端が見え、魅惑的なヴァイオリンの旋律が聞こえてくるような一冊です。

悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト パガニーニ伝 浦久俊彦著 定価 760円(税別) 新書判 新潮社

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紹介するのは

蔦屋書店熊本三年坂
藤本 久美さん

本とクラシック音楽と食べ物が好き。人文書担当