烏に単(ひとえ)は似合わない

作:阿部智里

この本は、阿部智里さんのデビュー作で、松本清張賞の最年少受賞作。彼女の代表作である八咫烏(やたがらす)シリーズの第1作目です。

舞台は、八咫烏の一族が支配する世界「山内」。その世界の世継ぎである「若宮」の妃(きさき)選びのために集められた4人の姫君たちの壮大なバトルが描かれています。平安朝のような華やかな世界観で繰り広げられる、和風ファンタジーです。

この本の面白いところは、設定は完璧なファンタジーであるのに、読み終わった後の感想はミステリーであるということ。ふわふわした気持ちで読み始めたら、頭をガツンと殴られたような読後感を味わうことができます。物語の軸となる妃候補の4人の少女たちがそれぞれに魅力的で、秘密を抱えています。続きが気になって、一気読みしてしまいました。内容を詳しく書いてしまったら、この本の醍醐(だいご)味が薄れてしまうのであまり書けませんが、読後の感想はこの一言につきます。
「女って恐ろしい!」

定価 756円(税込) 文春文庫

定価 756円(税込) 文春文庫

紹介するのは

蔦屋書店熊本三年坂
椛山 ひさ子さん

文庫本を担当。4歳と1歳の息子に振り回されながらスキマで本を読むのが楽しみです。