つんどくよんどく

彼方のアストラ

篠原健太・著

社会人になってからというもの、長編小説を一日で読破したり、漫画を最終巻までぶっ通しで読んだり、といった無茶な読み方をする機会が少なくなった、ように思う。昔に比べて自由に使える時間が減ったことや、体力の衰えもあるのだろう。しかし、子どもの頃のように寝食を忘れるほど夢中になって何かを楽しむことができなくなっていると考えると、なんだか少しむなしく思えてしまう。

そんな私が久々に夢中になって一気に読んでしまった漫画だ。宇宙への往来が当たり前となった近未来。惑星キャンプに旅立った少年少女たちが宇宙で遭難してしまい、仲間と協力しながら故郷へ帰る方法を探し、見知らぬ惑星で冒険を繰り広げる。

仲間内に裏切り者がいるなど、SF+サバイバル+ミステリー要素に、ラブコメ展開やギャグ描写なども実に絶妙なバランスで組み込まれている。全5巻と短く、きれいにまとまっているのもありがたい。「マンガ大賞2019」の受賞やアニメ化など話題性も抜群だ。

彼方のアストラ

438円(税別)JUMP COMICS 新書判

紹介するのは

金龍堂まるぶん店
内田 響也さん

今年こそ大きな夏フェスに行きたいです