Mr.Children 道標の歌

著:小貫 信昭

私は音楽に嫉妬する。われわれ書店員が取り扱う「本」とは人間の視覚に訴えるコンテンツだが、耳から入って人の心を揺さぶる「音楽」が与える衝動の大きさは本の比ではない…と思う。最近めっきりなくて残念だが、ミュージシャンのライブに行くたびに「音楽にはかなわないな…」とうらやましくなる。

本書は私が25年以上愛し続けているバンド、Mr・Childrenの結成から今日までの軌跡をまとめた、まさに「ファン垂ぜん」の一冊だ。知られざるエピソードや、メンバーの曲への思いなど読み応え抜群。読みながら私もメンバーになったと錯覚するほどの臨場感とリズム感のある文章も心地よい。

しかし何より私が本書を開いて驚いたのは、目次に記されたミスチルの名曲のタイトルを見た瞬間、曲のメロディーはもちろん、それらを毎日のように聴いていた頃の記憶が頭の中によみがえったことだ。音楽にはそこまでの力がある。やはりかなわないな…。私はまた音楽に嫉妬した。

定価 1600円(税別)
四六判 水鈴社

紹介するのは

金龍堂まるぶん店
荒川 俊介さん

ニューアルバム「SOUNDTRACKS」。耳のタコもウンザリするほど聴いています