【591号】いざというとき、ためらわずに避難! 災害から命を守るためのマイタイムライン活用法

激甚化する自然災害から命を守るためには、適切に避難できるよう防災行動をあらかじめ計画しておくことが大切です。そのために有効な「マイタイムライン」の活用法についてすぱいす読者と一緒に学びました。


災害時の行動を計画して目指せ"逃げ遅れゼロ"

ステップ(1) ハザードマップの見方を知って周囲の危険箇所をチェック

住んでいる地域の災害リスクを知る

自治体が公表しているハザードマップは、洪水浸水想定区域や土砂災害の危険性がある地域などに色を付けて表示したもので、自分が住む土地にどういう災害リスクがあるかを、洪水、土砂災害、高潮、津波など災害の種類ごとに確認できます。

竹内先生は熊本大学周辺のハザードマップを基に、その見方を説明してくれました。「白川沿いにある本学は洪水災害のリスクがあるエリアにあります。Webの『熊本市ハザードマップ』で、私たちが今いる熊大の工学部の場所を地図上でクリックすると、浸水する深さが『0.5m以上3.0m未満』と表示されます。ちなみにここは頑丈な建物なので、2階以上に避難すれば大丈夫だということが分かります」

次に、近くの避難所の場所を確認しました。災害時には、どの避難所が開設されているかは、テレビやラジオなどで随時発信され、県や市の災害ポータルサイトでも確認できます。「避難経路に浸水の恐れがある場合は被害が大きくなる前に移動をする、あるいは安全な場所に住む親戚や知人宅に避難するなど、複数の避難場所を考えておく必要があります」


熊本大学を中心にした「熊本市ハザードマップ」の表示例

※「熊本市ハザードマップ」で「洪水」を表示し、説明用に一部加工して掲載しています

教えてくれたのは

熊本大大学院先端科学研究部
竹内裕希子 准教授
ハザードマップを見る3つのポイント

(1)洪水、土砂災害、高潮、津波など災害ごとに危険リスクを確認する

(2)洪水浸水想定区域は必ず「浸水深」を確認する

(3)市町村指定の「避難場所」のほかに安全な場所の避難先を確認しておく

一緒に学んだのは

志摩寛子さん(36)美咲さん(12)/熊本市北区

「ハザードマップは知っていたけど見方が分からなくて。初めて知ったマイタイムラインも、使い方を学びたいです」


[調べてみよう]住んでいる地域の避難所のこと

避難所は市町村の防災情報サイトやハザードマップなどで確認できます。「指定緊急避難場所」は災害の危険から命を守るために緊急的に避難をする場所で、災害の種別ごとに指定されていますので調べておきましょう。また「指定避難所」は、避難した住民が災害の危険がなくなるまで一時的に滞在することを想定した施設で、学校の体育館や公共施設などに多く設定されています。


[必ず守ろう]「警戒レベル4」までに必ず避難

大雨や台風のとき、気象庁から大雨・洪水・高潮注意報などの気象情報が発表されます。危険が及ぶ地域に対しては、市町村から避難情報が発令されます。

避難に時間のかかる高齢者や障害のある人は「警戒レベル3」の「高齢者等避難」が発令されたら、直ちに危険な場所から避難しましょう。また、「警戒レベル4」の「避難指示」では、対象地域住民のうち危険な場所にいる人は全員避難することが必要です。避難情報が出されたら、速やかに行動してください。

【警戒レベルと取るべき行動】


ステップ(2) マイタイムラインシートを作成して避難のタイミングを決めておこう

「避難スイッチ」でためらわずに行動

大雨や台風などの自然災害から身を守るための「防災行動計画」をまとめたものが「マイタイムライン」。災害時に「どこに」「誰と」「いつ」避難すべきかを考えて書きます。ハザードマップで自宅が浸水地域にないことを確認でき、建物も頑丈なら在宅避難も可能です。「そのときは、備蓄品を多めに用意しておくことが大切です。大雨以外に台風のときはどうするかなども考えましょう」と竹内先生。

避難所などへ家族で避難する場合、「行動を開始する〝避難スイッチ〟を決めておきましょう。マイタイムラインシートは、いざというときに慌てないために、ぜひ活用してください」

「事前の準備、早めの行動が命を守ることを学びました。さっそく家族でマイタイムラインを作ります」(志摩寛子さん)


「マイタイムラインシート」の記入例

監修/竹内裕希子准教授


[書いてみよう]分からないことを知るのがスタートライン

「台風のとき、公民館に避難できる?」など、疑問が出てくることでしょう。避難所の開設状況は県や市の災害ポータルサイトなどで確認できます。分からないことを知り、確認方法を調べていくことが重要なことです。


記入のポイント

「知って備える」

平時の備えを書いておく。同時に「非常持ち出し品」も揃えておく

【非常持ち出し品の例】

■貴重品
お金、通帳、免許証、保険証など

■避難用具
LEDライト、ラジオ、電池、モバイルバッテリーなど

■生活用品
軍手、ライター、はさみ、服用中の薬、生理用品など

■非常食
飲料水、缶詰、栄養補助食品など

■衣料品
下着、靴下、雨具、防寒具など

■コロナ感染症対策に役立つもの
マスク、消毒液、体温計、ペーパータオルなど

■個人が必要とするもの
コンタクトレンズ、補聴器、子どもが好きなお菓子や絵本、心が落ち着くぬいぐるみなど


「避難場所」

ハザードマップを見ながら、最適な場所を複数考えて記入


「警戒レベル2・3」

「大雨のときは……」「台風のときは……」など、災害種別に応じた避難行動を書いておくといい


「警戒レベル4」

避難を開始するタイミング「避難スイッチ」を目立つように記入しておく


掲載しているマイタイムラインシートは下記のアドレスからダウンロード可能。プリントアウトし、家族で話し合いながら作成してみましょう。

https://lets.kumanichi.com/bousai/mt.pdf

熊本県が作成したマイタイムラインシートは
熊本県 マイタイムライン」で検索を