【576号】すぱいすフォーカス – おうちで楽しむ 春の星空観察

自宅で過ごす時間が増えたご家族など、星空観察をおうち時間の楽しみの一つにしてみてはいかがですか。心地よい夜風に吹かれながら親子で星空を見上げてみましょう。

春の宵の星座探しは北斗七星から

GWが終わり初夏を感じる季節ですが、夜空はまだ“春”の星座です。星の輝きは、春がすみの影響で幾分弱まっているものの、小学校の授業でも習った「北斗七星」はすぐに見つかるでしょう。そこを起点に、北の方位を示す「北極星」を探したり、「春の大曲線」を結んだりすれば、代表的な春の星座を見つけることができます。

北斗七星は、古代から世界中の人たちに親しまれ、おもしろいエピソードが残る星。夜空に高く昇り観察しやすいのは今の時季です。5月26日の夜には、「皆既月食」も見ることができます。親子で星空を見上げ、星を探すひとときは、きっと楽しい時間になりますよ。

教えてもらったのは

熊本博物館 天文担当学芸員
野村 美月さん

「しし座」は、見つけやすい星座です。「?」マークを裏返したような星の並びを探してみて。そこが頭から前足部分にあたり、ライオンの姿が浮かび上がってきますよ。


熊本市の空 2021年5月21日 20時頃

右の星図は、南を正面にして見上げた熊本市の星空の様子。時間を追うごとに星は東から西へ動いて見えます

日時を入れるとその日の星空の様子を教えてくれるサイトもあります。「星降る星図」で検索を!

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「春の大曲線」「北極星」の見つけ方

北東の空を見上げ、最初に「北斗七星」を見つけます。ひしゃくの柄のカーブに沿って延ばし、うしかい座の「アークトゥルス」、おとめ座の「スピカ」につながるラインが「春の大曲線」です。また、「北極星」は、北斗七星のひしゃくの先の2つの星の距離の5倍を、春の大曲線と逆方向に延ばせば見つかります。


国で違う「北斗七星」の見立て

「北斗七星」は星座ではなく、「おおぐま座」の腰から尻尾に位置する星の並び。その特徴的な並びは、世界中でいろいろなものに見立てられてきました。あなたは何に見えますか?

[アメリカ]クマなのに長すぎる尻尾

アメリカ先住民はクマに見立てました。森の中で迷った一匹のクマ。深夜になり、ますます森の奥へと進むと、森の大木たちが動き出し話を始めます。怖くなって逃げ出すクマを、ひときわ大きいカシの大木が捕まえ尻尾をつかんで振り回し、大空へ放り投げてしまいました。何度も振り回されたため尻尾が長く伸びたまま、クマは星座になりました。

[日本]「北斗七星」の呼び名は中国から

日本での呼び名「北斗七星」は中国から伝わりました。7つの星の並びが、ひしゃくの形に見えることから、ひしゃくを表す「斗」を用いたといわれています。日本では他に「ひしゃく星」や「ななつ星」と呼んだり、サイコロの4と3の目に見立て「しそうの星」と言ったりするなど、暮らしと結び付いた呼び名が多いようです。

[韓国]ゆがんだ家と逃げる大工さん

北斗七星の1、2、3、4(絵参照)の星と近くの星で三角屋根の家に、5、6の星を家の持ち主親子に、7の星を大工さんに見立てた韓国。年頃の息子に父親が家をプレゼントしたところ、予算が足りずにゆがんだ家ができてしまいます。怒った息子は手抜き工事をした大工さんを追いかけ、それを父親が止めようと追いかけます。追いかけっこは、今も空の上で続いているそうです。


5月26日の夜は「皆既日食」!

5月26日の夜、皆既月食が起こります。太陽、地球、月が一直線上に並び、地球の影に月が入る現象です。午後8時9分に皆既食となり、月は赤銅色と呼ばれる赤黒い色になります。月の色の変化も楽しめますよ。8時28分まで見ることができます。