【588号】ストレスの多いコロナ禍で、きっと役立つ お坊さんに学ぶ「心の使い方」

お寺は古くから修行道場であり、お坊さんは庶民の相談に応じてきました。コロナ禍で自粛生活が長引きストレスを抱えやすいいま、お坊さんからコロナに負けない「心の使い方」を学びましょう。現役僧侶でユーチューバーでもあるお坊さんコンビが、楽しく教えてくれました。
現役僧侶ユーチューバー「Seppo-CCQ(セッポーシーシーキュー)」

30代前半までタレント活動をしていた那須さんが、同じ宗派の藤岡さんを誘って2013年に漫才コンビを結成。年間30回もの公演を開くもコロナ禍で中断。昨年よりYouTubeで「漫才法話」の配信を開始。

写真左から
慈願寺(熊本県多良木町)住職
那須 弘紹さん(54歳)

明導寺(同湯前町)住職
藤岡 教顕さん(46歳)

「Seppo-CCQ」から動画でごあいさつ!


[現役僧侶 対談]見方を変えて、気持ちを変える

お坊さんは、つらい状況を気の持ちようで乗り越えるとか。
また、お寺との賢い付き合い方など「Seppo-CCQ」の二人が教えてくれました。


お寺の掲示板がコロナ禍で話題に

ー 「お寺の掲示板」コンテストで大賞を取ったと聞きました。

藤岡

そうなんです。仏教伝道協会が主催する「輝け!お寺の掲示板大賞2020」で、うちの掲示板が大賞をいただきました。掲示板の写真をツイッターやインスタグラムに投稿して、そこに付いた一般の方の「いいね」やリツイート数も考慮して決められるようです。

那須

それで、なんて書いたの?

藤岡

「コロナよりも怖いのは人間だった」という、ドラッグストアの店員さんの言葉です。

「輝け!お寺の掲示板大賞2020」で1677作品の中から大賞に選ばれた明導寺の掲示板

那須

マスクや消毒液の争奪戦が起きたときのアレですね。コロナは人間の煩悩をあぶり出しましたからね。

藤岡

この言葉、実は私への戒めでもあるんです。3月のお彼岸を前に寺の消毒液がなくなりそうで、毎日店に並んでようやく1本手に入れたんです。列の後ろの人たちは買えなくて。私も心の余裕があれば譲るのですが、「あぁ、買えて良かった」という気持ちになっていました。その時の私の行動を後から振り返ると、まさに掲示板の言葉通りだと気付かされ、戒めとして書かせていただきました。

ー 掲示板は、どんなときに書く?

那須

私は気が向いたとき(笑)。好きな本や歌から言葉を引用することもあります。

藤岡

掲示板って、住職の色が出ますよね。掲示伝道といって、いま世の中に必要なメッセージを発信しています。


感謝することを一日に5つ探す

ー ところでお坊さんは、ストレスがたまったり、イライラしたりすることはないのですか?

那須

普通にありますよ(笑)。ただ、その状況を違う角度から見てみようとする訓練はしているかもしれません。

藤岡

お釈迦(しゃか)さまの言葉にもありますね。

那須

仏教に「第一の矢は受けるが、第二の矢は受けない」という教えがあります。聖者も凡人も第一の矢を受けるのは同じで、つらさや苦しさを感じます。でも悟った聖者は第二の矢は受けません。この苦しさがあったおかげで得られる何かがあるのではと考えます。「コロナ禍だからこそ、あの人の優しさに出会えたのだな」といった具合に。

対談場所となった多良木町の「慈願寺」は、浄土真宗本願寺派のお寺

藤岡

同じことでも、見方を変えれば、その意味が変わることはありますね。

那須

うちの娘が幼い頃の話ですが、私が「プラスドライバー持ってきて」って頼んだら「ない」って言われまして。「足し算の+の形だよ」って説明したら、「ないよ。掛け算のならある」と(笑)。

藤岡

あなたのほうが、見方が凝り固まってしまっていたと。

那須

そうそう。年齢とともに見方や感性が鈍らないようにするという意味で、私は「感謝することを一日に5つ探す」を習慣にしています。不平不満はすぐ出てきても、感謝することはさっと出てこないから。皆さんもやってみるといいですよ。


お寺で心をチューニングする

お寺に行くと、何かいいことってありますか?

那須

お寺は非日常空間で、足を踏み入れるだけでもストレスの多い日常からリセットできるでしょう。人は何かを続けているうちに、つい楽な方を選ぶもの。自分を見つめ直すことで、心をチューニングできるはずです。お寺に行くきっかけは、御朱印集めや仏像見学、写経や座禅体験など何でもいいんですよ。

藤岡

いま、お盆の時期ですが、「先祖あっての自分」ということを考えてみてください。さまざまなご縁をいただいて生かされている事実に目を向けることが大事です。コロナ禍で帰省できない人は、家族に電話をして感謝を伝えるなどしてみてください。

那須

あとはユーチューブで、私たちの「漫才法話」を見てみるのもおすすめです!

仏教を身近に感じてもらおうと始めた「漫才法話」を配信中。4Kカメラ4台で撮影しています。
「Seppo-CCQ」YouTube


お寺の掲示板スナップ!

ライターがあちこち歩いて撮影してきました。

浄玄時

つらい状況下にある人たちに「今後の生き方が、過去に意味を見いだす」というエールを送っています。
南区浜口町 880

蓮台寺

住職が書いた勢いのある筆文字に、奥さまが描いた絵が添えられ、温かい雰囲気が出ています。
西区蓮台寺2-10-1

宗岳寺

『男はつらいよ』の主題歌から引用されていました。通学路にあるため若者を意識した言葉も書くとか。
中央区上林町3-45

法源寺

掲示板は2〜3カ月おきに書き換えます。娘さんの絵で飾ることも。
嘉島町鯰2683-2

泰陽禅寺

社会の傾向や風潮などを捉え、時世にあった言葉を書かれるそうです。
中央区坪井3-9-8


熊本で「座禅」「写経」が体験できる寺

60年前から「座禅会」を開催

熊本市内で座禅体験ができるお寺の一つである浄国寺では、毎週木曜日の夜(20時~21時10分ごろ)に「座禅会」が行われており、無料で参加できます。40分間の座禅と、禅に関する書籍を用いた講義が30分で、初心者には開始前に住職が作法などを説明してくれます。初回のみ事前連絡が必要です。

お問い合わせ

浄国寺

住所
北区高平2‐20‐35
TEL
096-344-7614


写経の後にカフェタイムも

元来、お経は読誦(どくじゅ)するものですが、それを書き写すことも尊いとされています。來迎院は、写経後にカフェスペースでくつろげる「写経・写仏カフェ」(毎月不定期)、「写経カフェ×お抹茶」(毎月第3土曜日)を開催し、住職や参加者と楽しく語らえる空間を提供しています。10時〜18時、参加費は500円。詳しくはHPで。

来迎院

西区春日6‐8‐8
http://www.raikouin.or.jp

県内には、ほかにも体験できるお寺があるので、ネットなどで調べてみて


お坊さんや仏教の教えが学べる本

1日1話 マンガでわかるブッダの教え

1日1話、ブッダの教えと真意を学ぶことで“心のあり方”を習得できます。じっくりと読み進め、1カ月でスッと心が整う一冊。

宝島社 704円

『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教

“お寺の掲示板をバズらせる和尚”としてSNSで話題の著者が、人気マンガ『鬼滅の刃』を入り口に楽しく学べる「仏教エッセンス」を紹介。

PHP研究所 松﨑智海 著 1463円

ゆる〜い禅 一日一禅!今日からはじめる

「仕事や人間関係の悩みがある」「イライラしたり、怒ったりしないで毎日心穏やかに過ごしたい」。そんな人のための、禅の60の処方箋。

ワニブックス 枡野俊明 著 1320円

お坊さんが教える こころが整う 掃除の本

掃除のプロでもある「お坊さん」が、部屋だけでなく心もきれいになれる本格的な掃除の仕方を伝授。これで煩悩や執着もスッキリ解消!

ディスカヴァー・トゥエンティワン 松本圭介 著 1430円