【596号】その一言でモチベーションアップ 職場の人間関係を良くする 言葉の掛け方
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同じことを伝えるにしても言葉の掛け方一つで相手の受け取り方はがらりと変わるものです。職場での人間関係を良くする「言葉掛け」のポイントを、キャリアコンサルタントの森田裕子さんに教えてもらいました。
互いの気持ちを尊重 相手の成長につながる言葉を
コロナ禍で、テレワークや時差出勤などが増え、以前より顔を合わせる機会が少なくなっている今、掛ける言葉一つ一つが大切な意味を持ってきています。
「言霊(ことだま)」という言葉があるように、私たちが発した言葉は、自分自身にも周りにも少なからず影響を与えます。何げない一言が、落ち込んでいた人を勇気づけたり、物事の解決の糸口となったりすることもあります。
どのように言葉を掛けるとよいかは、シチュエーションや相手との関係性によっても異なりますが、どのような場面においても大切なのは、その言葉が相手の気持ちを尊重しているかどうかです。自分の意見や思いを単にぶつけるだけでなく、相手の気持ちをくみ取り、相手の成長につながるような言葉掛けができたら、きっと良好な職場環境をつくっていけると思います。
お話を聞いたのは…
オフィス・コスモス代表
森田 裕子さん
キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、精神保健福祉士の資格を生かし、公的機関のキャリアコンサルタントを務めるほか、県内各地の企業などでメンタルヘルスに関するセミナーなどを行っている。
言葉掛けの善しあしは、相手との信頼関係が築けているかでも変わってきます。日常的にコミュニケーションを取りたいものですね。
相手&シーン別 知っておきたいポイント
言葉掛けのポイントは、いつでも誰にでも当てはまるものや、シーンによって効果的に使えるものがあります。
伝えたいことは端的に
余計な言葉を付け足し過ぎたり、遠回しな表現をしたりすると、かえって何を言いたいのかがあやふやになってしまいます。伝えたいことを端的に言葉にしましょう。
良いときも悪いときもなるべく早く
注意や指導が必要な場合だけでなく、褒める場合も声掛けは、「なるべく早く」が原則。その方が確実に印象に残ります。期間が空き過ぎると、「いつのこと?」となってしまい、伝えたいことがぼやけてしまいます。
日頃から小まめに
声掛けの機会が少なくなると、相手は自分への関心が希薄になったように感じます。声掛けは、すぐに実践できる職場の雰囲気を好転させるコミュニケーションツールです。あいさつやメールをもらった際の「見たよ」「ありがとう」など小まめに声を掛けましょう。
まずは承認することから
部下が仕事で失敗して落ち込んでいる場合、どのような理由があるにせよ、まずは受け入れて話を聞いてあげましょう。頭ごなしに注意したり、正論をぶつけたりするだけでは逆効果となることも。
要求や主張を整理できるように
相手の言い分をまず聞いて、状況や事実の確認ができたら、「何が悪かったのか」「そのときどうすれば良かったと思うか」、原因と対策を本人に考えさせることが大切です。アドバイスはその後に。先に解決法を示してしまうと、自分で考え、対処する力が身に付きません。相手の成長につながる声掛けを意識しましょう。
具体的に褒めることでやる気アップ!
良いことがあったときの適切な言葉掛けは、さらにその人のやる気やモチベーションをアップさせます。「今回の成功の鍵は○○にあったと思うよ。おめでとう」など、良かった点をより具体的に示してあげるとよいでしょう。表情も大切です。
すぐに実践! プチテクニック
「クッション言葉」で会話を柔らかくする
声掛けをする際、いきなり本題に入るのではなく、最初に「申し訳ありませんが」「前にも伝えたかもしれないけれど」など、本題に入る前に相手への心遣いを示す言葉を入れて話し始めると、印象が柔らかくなります。
リフレーミング(枠組みを変える)で発想転換
言葉を掛ける側、受け取る側が捉え方を変える方法も。例えば、「君は飽きっぽいね」→「君は興味の幅が広いね」、「本当にせっかち」→「本当に行動的」など、表現や捉え方を変えてみては。
「I(アイ)」メッセージで伝える
「○○は間違っている」「○○して」など、相手を批判したり、命令したりする言葉掛けは、「私はこうしてもらえると助かる」のように、自分からのメッセージ(Iメッセージ)にすると受け入れられやすくなります。
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