【397号】万年筆入門

味わいのある文字を、大切な人へ

万年筆で書いた文字って、味わいがあって大人な感じがしませんか。大切な人への手紙や、見直す機会も多い日記など、ぜひ使ってみたい筆記具です。やや敷居が高いイメージもありますが、最近は使い勝手のいい手頃なものや、低価格のタイプも人気があるそう。万年筆の魅力や最新情報を専門家に聞きました。


書く楽しさ、持つ喜びを満たす筆記具

弱い筆圧でも書ける万年筆は、長く書いていても疲れにくく、優しく温かみのある文字に仕上がるのが特長です。ペン先が柔らかくしなるので、強弱をつけて書けば表情のある文字にもなります。

使う人の持ち方、ペンの角度で、使っていくうちにペンポイントの削れ具合が変わり、その人独自のペンになっていきます。そんな書き癖がついて、書きやすくなる点も魅力ではないでしょうか。

最近は、手軽に使えるタイプや限定品など、さまざまな種類が国内外の各メーカーから登場しています。初めて使うなら、漢字や仮名が書きやすいようペン先に工夫が施された日本のメーカーの万年筆がいいでしょう。ペン先は金のタイプがおすすめ。ステンレス製と比べると、ペン先がより柔らかく弾力があり、書き心地も滑らかです。さびる心配もありません。持ってみると少し重く感じるかもしれませんが、書きやすさにはある程度の重さも必要なんですよ。おすすめの1万円クラスなら、持っている満足感も得られるはず。ぜひ、筆記具のひとつに万年筆を取り入れてみてはいかがですか。

話を伺ったのは

甲玉堂 店長
髙島 博明さん

万年筆のことは何でも聞いてください!

高島 博明さん


万年筆の各名称

万年筆を知るためには、各部の名称を覚えましょう。特徴的なのは、何と言ってもペン先! インクは、万年筆専用のカートリッジインキを使います。

01.

豊富なペン先がそろう伝統あるデザイン

【カスタム74/パイロット(日本製) 1万円】

これぞ万年筆の定番。握りやすい太めの胴で、ペン先は14金。極細(EF)から極太(MS)まで11種がそろいます。胴はブラック、グリーン、ブルー、エンジの4色。

ハート穴が真上を向くようにして、軽く握ります

ハート穴が真上を向くようにして、軽く握ります

1カ月以上使わないとインクが固まってしまうことも! 固まったらカートリッジを外し、ペン先と首軸だけを、常温の水を入れた深めの容器に1~2時間、頑固な場合は一晩漬け置きしましょう。

固まったらカートリッジを外し、ペン先と首軸だけを、常温の水を入れた深めの容器に1~2時間、頑固な場合は一晩漬け置きしましょう。

最初の1本!

髙島店長 おすすめの万年筆

初心者が、金のペン先の万年筆を楽しむのに「これなら間違いない!」というおすすめを、髙島さんに厳選してもらいました。また、注目度の高い人気のアイテムや、低価格なのに使い勝手がいいタイプも紹介します。

試し書きは、名前や住所などよく書く文字で!

価格はすべて税別です

02.

インクが乾かない密室性に優れたキャップ

【センチュリー3776/プラチナ(日本製) 1万円】

日本最高峰の品質を目指すため、日本一の富士山の標高を表す数字を冠したそうです。キャップの密閉性を高めることで、しばらく使わないとインクが乾いてしまうという万年筆が抱える問題を解決。14金のペン先です。

03.

スタイリッシュなフォルムが若者に人気

【グランセ/パイロット(日本製) 1万円】

フォーマル、カジュアルどちらのシーンにも似合う細身でモダンなデザイン。硬めの書き味で、楷書をきっちり書く人や若い人に人気。ペン先は豪華なゴールドとスマートなシルバーの2色がありますが、いずれも14金です。

04.

毎年登場する限定カラーにファンも急増

【サファリ/ラミー(ドイツ製) 4000円】

斬新なデザインとポップなカラーバリエーションで若者から支持を得ている万年筆。特に、毎年発表される限定カラーに注目が集まります。2017年はブルーとグリーンにグレーを混ぜたペトロール。18年は何色が登場するか楽しみです。ステンレス製のペン先です。

05.

手頃なのに高級感たっぷり

【プレジール/プラチナ(日本製) 1000円】

カートリッジを差し込んだまま1年たってもインクが固まらないのが特長。ボリュームのあるフォルムはパール加工が施され、低価格とは思えない落ち着いたデザインです。ペン先はステンレス製。

店舗情報

甲玉堂

住所
熊本市中央区上通町1‐18
TEL
096-355-0246
営業時間
10時~20時
休業日
なし

熊本ならではの万年筆、見つけた!

G7の贈答品に純金「肥後象嵌(ぞうがん)」萬(まん)年筆が採用されました

2016年5月に行われたG7伊勢志摩サミットで、安倍総理大臣からG7各国首脳などへの贈呈品に選ばれたのが、熊本の「光助」が手掛けた「肥後象嵌」萬年筆です。キャップリングに春の到来を告げるサクラ(左写真右)の絵柄が採用されました。銀杏城(熊本城)などで県民にゆかりが深いイチョウの絵柄も人気なのだそう。

また、パイロットからは「熊本応援プロジェクト」として昨年も販売された万年筆「カクノくまモンver.」が今年も販売されます。くまモンのデザインをあしらった万年筆で、1本1100円。12月4日全国一斉発売。数量限定です。

〔純金細工〕萬年筆公孫樹(イチョウ/左)と桜(サクラ)/プラチナ

〔純金細工〕萬年筆公孫樹(イチョウ/左)と桜(サクラ)/プラチナ 3万円

甲玉堂の万年筆コーナー

パイロットを中心に、国内外の各ブランドの万年筆がそろう甲玉堂の万年筆コーナー。たくさんあって迷いそうですが、使うシーンや好みなどに応じて丁寧なアドバイスをしてくれるので、試し書きをしながらお気に入りが見つかります